スズキ「GSX-S1000GT」とカワサキ「Ninja 1000SX」のユーティリティを深掘りチェック！〈目利きのマル〉

スズキ「GSX-S1000GT」VS カワサキ「Ninja 1000SX」｜各部チェック

1．スクリーン

ツアラーの必須装備であるスクリーン、両車共にこだわりが見える

80年代は「なんとなく丸っこくしてこんぐらいかな？ 」って雰囲気だったスクリーンだが、現在はなんだか複雑な形状に変化してきている。スクリーンが大きすぎれば空気抵抗になるし、不快な乱気流の発生を促進してしまうため、現在は風を防ぐというよりは風をコントロールする方へと進化。

ニンジャ1000SXは4段階の可変式で好みや体型に応じて調整可能だ。GSX-S1000GTは固定式だがニンジャよりもひと回り大きなスクリーンになっている。そういえば昔、わざわざロングスクリーンに交換して、そのスクリーンの上から前方を見ようとして妙に姿勢の良いライポジのおじさんよく居たよね？

2．リア足まわり

チェーン調整が早いぜ早すぎるぜ！ エキセントリックアジャスター

ニンジャ1000SXはスイングアーム後端のロックボルトを緩め、アジャスターをヘックスレンチで回転させるだけで、チェーン調整が簡単にできるカワサキ伝統のエキセントリックアジャスターを採用。

チェーン調整で車高が微妙に変わるので、違いのわかる男たちは好ましくないと言うが、私はこの ''エキセン'' が超大好き。

また、ニンジャの純正スチールリアスプロケットは、肉抜きがかっこいい！ カワサキ車の中でマウントボルトの位置関係（PCD）が共通の機種もあると思うので、純正流用パーツとしても期待！ GSX-S1000GTはスイングアームも中空のアクスルシャフトもSS感の高いつくりになっている。

3．ステップ＆シフト

徹底振動対策されたニンジャ1000SXとスーパースポーツ風味の強いGSX-S1000GT

会社でも家でもコスト、コストときつく言い聞かされてうんざりしているおじさん達だけに趣味のバイクの中にはあまりコストカットの痕跡は見たくないもの。

ニンジャ1000SXのステップは、ラバーマウントされた上に、ステップバー裏に防振ウェイトを装備した豪華な造り込み。いきなりバックステップに交換したりしないで、まずは素材の本来のお味を確かめたい。

GSX-S1000GTはステップバー自体にラバーが貼られているが、フレームにはリジットマウントとなり、スポーツバイク色が強い。両車とも装備するクイックシフターは、ツーリングで疲れてクラッチ操作をサボりたい時にも重宝する。

4．電装アイテム

もう少しスマートな見た目だと嬉しいがツーリングで便利なのは間違いない

スマホをナビとして使うためには欠かせない電源を両車ともに同じような位置に装備する。GSX-S1000GTはUSBだが、ニンジャ1000SXの方はシガーソケットタイプのDC電源となり、スマホを充電するにはUSBへの変換が必要になる。

ダイレクトUSBにしてくれた方が良いのだが、海外ではシガソケの方が重宝されるのだろうか？ 両車ともに電源は見た目に ''ザ・電源'' といった佇まいの存在感大きめ、サイズ大きめで実に ''ザ・国産車'' 的デザインである。

細かいものが見づらい ''ザ・老眼'' の ''ジ・おじさん'' にはわかりやすくて良いかもしれない。いっそのことテプラで「スマホ充電」と貼っておきたい。

スズキ「GSX-S1000GT」VS カワサキ「Ninja 1000SX」｜総合評価

よりツーリング性能を求めたNinja 1000SXとスポーツ色の強めたGSX-S1000GT

年下の上司感あるニンジャ H2 SXはスーチャー付いててキュイーンってなんかいかついし、排気量下のZ900RSは人気抜群でカワサキ終身名誉Z1会長の親戚筋にあたる。その間に挟まれて奮闘するのがニンジャ1000SXだ。

一方のGSX-S1000GTもスポーツ畑から急にツーリング部門へ異動を命じられたものの、スポーツもツーリングもどっちも行けちゃう有能上司の隼とツーリングを看板に層の厚いVストファミリーに挟まれて、立ち位置を探る毎日…。そんな2台に私は「中間管理職」を感じてしまった次第だ。

しかし、プレイングマネージャーであることを求められる中間管理職は、有能でなければ務まらないポジションである。その通り、2台はバイクとして非常に有能であり、街乗りからツーリングまでシーンを選ばぬ走りと、リッター4気筒らしい突き抜けるようなパワーフィールをあわせ持っていて、その良さを痛感した。

GSX-R1000K5エンジン横展開ファミリーに属するだけあって、スポーツ色が強い。ただ、先進装備を盛り込んだGXの登場で、独自色は出づらい。オイルフィルターは外しづらそうで、整備性も並だが、バーハンなのでハンドル交換カスタムは容易かも！

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エキセンは利便性高いしオイル交換の作業性も良さそう。ただ、センタースタンドの標準装備や次はクルコンじゃなくてACCの搭載も希望したい。その上で現状の軽快感は失ってほしくないところ。外観デザインも今やコンサバすぎかな？

スズキ「GSX-S1000GT」VS カワサキ「Ninja 1000SX」｜人気投票

スズキ「GSX-S1000GT」VS カワサキ「Ninja 1000SX」｜スペック・価格・燃費・製造国

文：丸山淳大／関野 温

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