カタナ憧れのオールブラックをモノサス仕様で表現

ブライトロジックが仕立てたGSX1100S。’24年3月の東京モーターサイクルショー、オーリンズブースにも飾られたから見た人も多いだろう。カタナの憧れのスタイルのひとつ、オールブラック。それを17インチ仕様で表現した1台だ。

フロントはオーリンズの倒立フォークをマウントする。対してのリヤは、シートレールをスイングアームピボット直後からぐっと持ち上げたカタナ現役当時のAMAスーパーバイクスタイル……だが、その後ろにレイダウンされているべきショックが見えない。そう、ツインからモノショック仕様になっているからだった。これは斬新。

「リヤフレームの取り回しなど、近いイメージのブラック仕様カタナはもう3台作っていたので、この車両ではちょっと変化を付けようって、製作途中でモノショックにしたんです」とブライトロジック・竹中さん。とは言え、そうは簡単には行かなさそうだが。

画像1: カタナ憧れのオールブラックをモノサス仕様で表現

「フレーム側にリヤショックマウントを新設するのは大変でしたけどね。スイングアームは’93年、TTF-1の最後の年(翌年からスーパーバイクに移行)のもので、これはベストの仕様です。ヨシムラGSX-R750用で、削り出しのリンクとリンクロッドもそれ用。これらありきで全体のディメンションを決めて車体を加工して、リヤショックは今のGSX-R1000R用オーリンズTTXを使ってます。

フロントはハヤブサ用ステムを介してGSX-R1000用オーリンズフォークを付けています。そのままだとハンドルがいい位置に来なくて下がり過ぎるので、トップブリッジはウチのハヤブサ用オリジナルを上下逆に付けてその下にハンドルを置くようにして位置を合わせました」

毎年のようにショー出展モデルを作ることもあってアイデア出しも大変と竹中さんは続けるが、このブラックカタナのアイデアはかなりのものだ。モノサス化するとしてもそこにTTF-1の、しかもベストと言えるディメンションを持ち込んだり、ハンドル位置を適正化するためにトップブリッジの選択や付け方を変えたりは、時間制限もある中、なかなか思いつくものではない。

画像2: カタナ憧れのオールブラックをモノサス仕様で表現

こうしてカタナをベースにハヤブサや複数年代のGSX-Rのパーツ、数値を無理なく盛り込んでいけるのは、それらを多く、レースも含めてじつにさまざまに手を入れてきたゆえだろう。竹中さん自身の探究心もある。これはカスタムの発想としても大きな参考になる。

エンジンはブライトロジックでのカタナ定番メニュー、1135cc仕様。きちんと最初に組むことできっちり回るし寿命も持たせる。他の部分も冒頭のように、そしていつも通りに、新品にするべきところ、配線類やラバーパーツを新品にし、銘柄含めて必要な油脂類を適量給脂し、スムーズかつ的確に動くように組んでいく。

憧れのブラックカタナというだけでなく、そこにTTF-1ディメンションのシャシー、現代サス&タイヤときっちりしたエンジンを持ったこのカタナ。そんな同店の作業の的確さがベースになっているから、カスタムらしい魅力も、走らせてみたくなる気持ちも、一層高まってくるのだ。

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画像1: Detailed Description 詳細説明

ステムはハヤブサ用で、トップブリッジはブライトロジックオリジナルの削り出し品を裏表逆に装着、ハンドルをこのトップブリッジ下側に装着して位置や車高を合わせた。メーターはカタナに準じたワンボディ・オールインワンのエースウェルACE-4553でフロントマスターはブレンボ・ラジアル。ミラーはマジカルレーシングNK-1ミラーで、本体は全体のスリム感に合わせたタイプ3ヘッドを選択した。

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リヤウインカーはテールカウルエンドの左右端内側にケラーマンの超小型高輝度LED製品を装着。そのテールカウル/フロントカウル/サイドカバーはドライカーボン製で、燃料タンクはアルミをマットブラック仕上げしてSUZUKIロゴをつやあり黒で組み合わせる。

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フロントウインカーもケラーマン製超小型高輝度LED製品でサイドカウル前端(オイルクーラー横)にレンズが露出するように置き、前/横からも見えるよう被視認性に配慮する。

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DOHC4バルブ直4のエンジンは1074ccからφ74mm鍛造ピストンによる1135cc仕様にし外観もつや消し黒でリフレッシュ。ヨシムラのプレートタイプ・スプロケットカバー外側にオイルキャッチタンクを備える。オイルクーラーは11インチ13段のラウンドタイプだ。

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キャブレターはヨシムラTMR-MJNφ40mmをK&Nフィルター仕様で装着する。トップカバーとドレンボルトの赤が燃料タンクのブライトロジックロゴの赤(i文字×2カ所)とともにワンポイントとなっている。

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現代風のサイレンサーを持たせたマフラーはブライトロジックオリジナルの4-1で、エキパイは耐熱性の高いジルコニア溶射を施した上でブラック塗装仕上げしている。ステップもブライトロジックオリジナルだ。

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スイングアーム/リンクに最適な位置を検討した上でフレーム側にショックマウントを新設してモノサス化。リヤショックはショー出展のために現行製品を使う必要もあり、GSX-R1000R用オーリンズTTXを使っている。

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スイングアームは'93年のTTF-1仕様ヨシムラGSX-R750のもので、ピボット裏、メイン部材/スタビライザー間に張られたプレートも見える。削り出しのリンク、リンクアームも同車のものを組み合わせる。ドライブチェーンはRKの520XXWだ。

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フロントフォークはGSX-R1000R用オーリンズ倒立で、フロントブレーキはブレンボGP4-RXキャリパー+ブレンボ・Tドライブディスクの組み合わせ。

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リヤブレーキはブレンボGP2-SSキャリパー+サンスターディスク。前後ホイールはMAGTAN JB4の3.50-17/5.50-17サイズ、タイヤはブリヂストンの'24年新作、S23を履く。サイズは120/70ZR17・180/55ZR17だ。

取材協力:ブライトロジック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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