魅力的なパッケージで用意された3台は即完売
低くスマートに構えたルックスに、最新の足まわり。エンジンもツインプラグヘッドやその周囲に回るオイルバイパスと、見ていけばかなりのヘビーチューンがされていると分かる。そう、ブルドックのコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)だ。ただ、この車両は他のGT-Mとは少し異なっていた。「GT-M Z1-R リミテッドエディション」と名付けられた特別仕様車なのだ。
「Z1-Rの持つ直線的なデザインをさらに精悍なスタイルに磨き上げ、長年にわたるZカスタムの最前線で培った英知と技術を結集。(中略)さらにこの限定車のみの専用パーツを多数組み込んだ、パフォーマンスの高さと存在感を示す限定3台の特別仕様車」という案内がされていた。専用パーツなど、気になる点を製作者であるブルドック・和久井さんに聞いてみた。
「外装はこの特別仕様専用のセットなんです。エンジンは鍛造ピストンでの1260cc仕様。シリンダーブロックも当社のアルミビレット+超々ターカロイスリーブを使い、放熱性や耐久性を高めています。これにマシニングヘッドやST-2カム、オリジナル6速クロスミッションと、ハイスペックをパッケージ化しています。
ホイールはアルミ鍛造でマグホイール同等の軽さに美しさ、もちろん強さも持つラヴォランテ・スフィダーレ。フロントフォークも特別仕様のチューニングを施していて、チタンボルトなどのパーツも使っています。車両全体として、通常のレベル以上のチューニングをしています」
なるほど、今作れる理想的なZの見本と言えるような作り込みだった。まさに垂涎の1台。車両価格も1210万円と公表されていたが、込められた内容や作業を考えると、お得とも言えそう。それでも設定された限定3台は即完売したとのこと。今後このようなZ1-Rの限定仕様の製作予定はないとのことで、もし近い内容のものがほしいと思うなら、オーダーでの製作となる。そうしたオーダーをする時にも、必ず見本にしたくなる。そんな1台と言えるのだ。
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Detailed Description 詳細説明
ビキニカウルやアルミタンク、サイドカバー一体のシートカウルはマッコイの専用セットで左右マスターはブレンボRCSコルサコルタ、ミラーはカーボンボディのマジカルレーシング・NK-1ミラーをセットする。
17インチZに最適化されたマッコイ・正立φ43mmステムキットは軽量ライトウェイトレーシングタイプアッパーブラケット仕様でオーリンズステアリングダンパー/マッコイ・セパレートハンドルを組み合わせる。メーターまわりはスタックST200回転計や同ST3000サブメーター、モトガジェット・モトスコープミニ速度計等で構成。
マッコイ・アルミタンクはホワイトをベースにZ1-R純正パターンのピンストライプをグリーンで加えている。
カウル前半部のカーボン地を露出させたマッコイ・シングルシートカウルに組み合わされるシートはマッコイ・スプリーム。居住性と操作性を高めるものだ。
エンジンはマッコイ×ピスタルレーシングφ78mm鍛造ピストンによる1260cc仕様でA6061-T651材削り出しによるマッコイ・ビレットシリンダーブロック、マシニングヘッド/ツインプラグ/ST-2カム/オイルバイパス等を組み合わせたフルメニュー。ミッションもマッコイ6速クロスでフラットフロントスプロケットが使えるマッコイ・オフセットスプロケットアウトボードキットとともに高出力をスムーズに伝えてくれる。
キャブレターはTMR-MJNφ36mmのデュアルスタックファンネル仕様で、ここではファンネルはショート/ロングともブラックカラーで合わせた。
チタンのパイプピースを溶接して作られた排気系もマッコイのスペシャルだ。サイレンサーにはWinMccoyNeoショートを使う。
φ43mmのフロントフォークは特別仕様のチューニングを施したもので、フロントブレーキはブレンボGP4-RXキャリパー+マッコイ×サンスターコラボφ320mmディスク。フロントフェンダーはマッコイ・カーボンで各部にチタンボルト等も多く使われる。
リヤブレーキはブレンボGP2-SSキャリパー+マッコイ×サンスターコラボディスク。ショック位置可変式のアルミスイングアームもマッコイ・ブランドのものだ。
リヤショックはオーリンズ・ブラックライン。ホイールはラヴォランテ・スフィダーレの3.50-17/6.00-17サイズでリヤには200/60タイヤを履く。ステップキットもマッコイ。ドライブチェーンはRKの520XWR2を装着している。