Z1の衝撃的デビューから6年がたった1979年。多くのキャスティングパーツを変更し外観のイメージを一新したZ1000 MkIIが登場する。わずか2年で次世代に道を譲ることになるがカワサキの挑戦は高く評価したい。
文:バイカーズステーション編集部/写真:平野輝幸
※この記事はモーターマガジンムック『空冷Z伝 完全版』に掲載した記事を一部編集し転載しています。
文:バイカーズステーション編集部/写真:平野輝幸
※この記事はモーターマガジンムック『空冷Z伝 完全版』に掲載した記事を一部編集し転載しています。
カワサキ「Z1000MKII(Z1000-A3A)」特徴
従来のスタイルを一新、エンジンとフレームも強化された
カワサキは1979年、Z1300という水冷DOHC並列6気筒のモンスターマシンを登場させているが、同時にZも徹底的にリファインした。まず、スタイリング。全世界で絶賛されたZ1-Rをモチーフに、燃料タンク、シート、サイドカバー、テールカウルなどを一新、ホイールもZ1-R同様のモーリスタイプのキャストとして精悍さを際立たせる。
エンジンはボア×ストロークこそ同じだが、キャスティングを刷新、クランクシャフトを新設計する。新機構であるトランジスタ点火やZ1-R系のΦ28mmキャブの採用、排気系の見直しも行い、前モデルのZ1000-A2から10HP増の93HPへパワーアップした。車体もこのエンジンに対応させるためフレームを強化。
欧州ではマルタ島、アメリカではデスバレーといった世界一周のプレス発表会を実施したことが話題を呼び、AMAスーパーバイクでのM.ボールドウィンやF.スペンサーなどの活躍もこのマシーンの人気を高めてくれた。