高い完成度の構成からさらにスープアップを図る

画像1: 高い完成度の構成からさらにスープアップを図る

’70〜’80年代製旧車を入手し、楽しむための正解のひとつとして確立された感のあるコンプリートカスタム。いずれ手を入れたいとか、現代的に楽しみたい、長く乗りたいという要望も受け止める存在として浸透している。ベースを新車並み、もしくはそれ以上のコンディションに仕立てる作業込みで仕立てられるのだから、それは理にかなっている。

このMk.IIは、ACサンクチュアリーの手がけるコンプリートカスタム、RCM(Radical Construction Manufacture)のひとつ。前述の要素を明確に意識してオーダーされたものだという。同店・中村さんに概要を聞いた。

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「オーナーさんの要望は“最高のものにしたい”とシンプル。RCMを選んでいただいたのは、当店がレース活動をしていたからでした。オーナーさんもスーパースポーツでサーキット走行される方。Zの現役当時でもそうですが、チューニングの原点はサーキットにあると理解されていらっしゃった。それでこのRCM-638の仕様も当店のZレーサー3号機(TOT・スーパーモンスターエヴォリューションクラス用で、ツクバサーキット58秒071の空冷車ラップレコードを持つ)をリスペクトしたものになっています。サーキットも走りたいということで、それだけ私たちも力が入ります」

じつはこの車両、撮影時点がファーストステージ仕様。そこから1年経たないうちに再入庫してセカンドステージ仕様に進化中という。

「エンジンはファーストステージ仕様で既に1105cc/6速クロスミッション/トロコイドオイルポンプ等のフルメニューでしたが、さらに排気量拡大やJ系ヘッド化+ハイカムにポート加工等、Zレーサー3号機により近くなります。それだけでなくて、オーナーさんからはZ1、Z1-RのRCM製作も依頼されています。このMk.IIも合わせて、歴代車両でもトップの内容の3台になりそうです」

最初に納車されたファーストステージの状態が良かったからもっと先を依頼する再入庫。そして丸、角、カフェレーサーの3タイプの空冷Zそれぞれへの最高のメニュー依頼。完成した3台を揃えた様子は、さぞかし壮観だろう。

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左右のブレンボ・レーシングラジアルマスターには同用ZETA“RCM”コンセプトフライトレバーをセット。ミラーはマジカルレーシング・NK-1ミラー・タイプ5ヘッドだ。

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スカルプチャーφ43 SPステムキットType1(オフセットは60→35mm)にマウントされるハンドルはデイトナ“RCM”LOWバー。メーターは純正ベースにヨシムラ・プログレス2マルチテンプメーターとPROTECシフトインジケーターが追加される。

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外装はMk.II純正スタイルのままでカラーリングもオーナー好みのMk.II純正を奥進で再塗装。燃料タンクはこの後アルミに置き換わる。シートもデイトナRCMコンセプトCOZYシートをセットしてある。

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ステップはナイトロレーシングを装着。油圧駆動化されたクラッチ部にはナイトロレーシングのクラッチレリーズプレートKIT Type2を装着。

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エンジンはDiNx製鍛造φ73mmピストンによる1105cc仕様。6速クロスミッションやカウンターシャフトを延長してフラットスプロケットが使えるEVOシステムにST-1カム、DiNxフルリビルドクランク、ワンオフキャッチタンクなど備えるフルメニュー。だが今回の入庫でサンクチュアリーメカニックブランド・ニュー6速クロスミッションやJ系ヘッド+チューニング、トロコイドオイルポンプ用深底オイルパンなどへ内容はさらに高められている。

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エンジンの仕様をしっかり生かす吸排気系はデュアルスタックファンネル仕様のTMR-MJNφ38mmキャブレターとナイトロレーシング・4in1“ウェルド”クラフトチタンマフラーの組み合わせだ。

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ワンオフキャッチタンクはシート下に収められる。こうした機能パーツの配置等にもこだわっている。

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フロントフォークはオーリンズRWUをノーブレスト・E×Mパッケージで装着する。フロントブレーキはブレンボ484 cafe racer CNC 4Pキャリパー+ワークスエキスパンド・RCMコンセプトディスク。

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ブロックスタビライザーを加えたスカルプチャー・R.C.M専用ワイドスイングアームにはナイトロン・ステルスツインショックをセット。リヤブレーキはブレンボGP2-CRキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクだ。

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前後ホイールはO・ZレーシングGASS RS-Aで3.50-17/6.00-17サイズ。ドライブチェーンはエヌマ製EK530RCM(BK;GP)を装着する。

取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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