今やっておきたい内容が盛り込まれたお買得車
2006年に生産終了、そこからの時間経過で良質な車両を探すのも難しくなってきたゼファー1100。そんな時に参考になるのが、刀鍛冶が用意したこの販売車両。素性を同店・石井さんに聞くと、その理由が分かる。
「当店のお客さんがカタナとこのゼファーを所有していらして、土曜はゼファー、日曜はカタナという具合に楽しんでいたんです。それを息子さんが引き継いだんですけど、さすがに2台持ちは難しいなということで預かった車両なんです」
同店で扱う理由は分かった。内容も聞いていこう。
「ホイールやスイングアームは純正なんですけど、フロントブレーキはラジアルマスターにしてキャリパーもブレーキホースも換えてますし、オイルクーラーも大型化しています。エンジンはクラッチラインが不調になった時にフルオーバーホールしているんです。そのときに合わせて外観もブラック塗装しました。オイルパンもカットしてセンターコレクトマフラーを入れて、キャブレターもノジマのインナーキットを組んでいたり、点火ユニットもTGナカガワ製(H.I.R.)にしたり。フレームも純正のガンメタリックからブラックに再塗装、外装類も火の玉カラーで仕上げています」
何とも通好みというか、今ゼファー1100でやっておきたいメニューがエンジンという大物を軸に、点火や吸排気(ゼファーでエンジン中央下に集合部が来るときに干渉するオイルパンの出っ張りも解消)にと、きっちり行われている。これはとても魅力的だ。
「走行距離はメーター通りに2万5000kmですけど、エンジンオーバーホール以後は1万kmも走っていないはずです。最初に言ったような使い方で、長距離も走ってないです」
ここまでの作業は刀鍛冶で行われていて、詳細も明らか。まさに安心の良質車両と言っていい。価格は刀鍛冶に要問い合わせとなるが、実際に聞いてみればこの車両はかなりお買い得と思えるはずだ。
これからホイールとステップあたりを換えて自分仕様で長く乗るのもいいと思いますとも石井さん。ヘリテイジ&レジェンズ本誌掲載時(’24年8月)には気になるならまず問い合わせをとしていたが、つい先日買い手が付いたという。履歴も明確、これからが楽しめるベースとしても参考になる1台だ。
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Detailed Description 詳細説明
ステムはゼファー1100純正でメーターは純正をベースに速度計を240km/hパネル化。ハンドルはアントライオン製マウントにクランプされる。フロントマスターはニッシン・ラジアルポンプに換わる。
外装類は火の玉カラーにKAWASAKIロゴ(純正最終型のロゴはKawasaki)とサイドカバーのZ調エンブレムできれいにまとめられた。
シートもタックロールタイプに変更している。このあたりは今後の自由度も高い。
エンジンは1062cc仕様の純正スペックだがフルオーバーホールされていて、その後の走行距離も1万km以下と分かっている。オイルパンをカット加工してセンターコレクトのショート管を装着、点火系はTGナカガワHIRに換えてリフレッシュ。
オイルクーラーも大型化して熱対策もされる。CVK34キャブにはインナーキットも組み、フレームも黒でリペイント済みだ。
φ43mmフロントフォークはゼファー1100純正で、フロントブレーキキャリパーはブレンボ4ピストンに変更し前後のブレーキラインはステンレスメッシュに変更してある。
アルミ日の字断面のスイングアーム、3.00-18/4.50-17サイズのホイールはゼファー1100純正。リヤショックはオーリンズ・フルアジャスタブル。タイヤにブリヂストンT32(サイズは[F]120/70ZR18・[R]160/70ZR17)を履くことからも日常的なシーンで快適走行を楽しまれた思える車両だ。