1980年代を代表する名車のひとつが、初代ニンジャことGPZ900R。世界最速を目指し「次世代のZ1」として開発された革命児は、登場から40年以上が過ぎた今なお、世界中のライダーを虜にしている。

カワサキ「GPZ900R」特徴

画像: kawasaki GPZ900R 1984年 総排気量:908cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:780mm 乾燥重量:228kg

kawasaki
GPZ900R
1984年

総排気量:908cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:780mm
乾燥重量:228kg

高性能と素性の良さで20年近いロングセラーに

Z1の登場以降、圧倒的な高性能とパフォーマンスを武器にビッグバイク市場をリードしてきたカワサキだったが、ライバルたちが急速な進歩を遂げ高性能化していくのに対応し、空冷エンジンも排気量を拡大しながら高性能化を図っていった。

ただ、基本設計に優れていたとはいえ、Z1をルーツとする空冷DOHC2バルブエンジンのままでは高性能化には限界があり、1980年代に入るとカワサキは「次世代のZ1」を模索するようになる。そして、さまざまなトライの結果誕生したのがGPZ900Rだった。

画像1: カワサキ「GPZ900R」特徴

エンジンは並列6気筒やVツインなどさまざまな形式を試した結果、最終的にサイドカムチェーン採用のコンパクトな水冷DOHC4バルブ、908ccに決定。パワーは実に115PSに達した。このユニットを、ダウンチューブを廃した斬新なレイアウトを持つダイヤモンドフレームにリジッドマウント。非常にコンパクトな車体は、それまでの空冷Zシリーズとは一線を画すものだった。

開発に当たってカワサキが目指したのは世界最速の新たなフラッグシップ。初採用となったフルカウルは空力性能を重視したデザインとされ、その効果もあいまって、最高速は250km/hに到達。世界最速の称号を手に入れ、ライダーの羨望を集めたのだった。

画像2: カワサキ「GPZ900R」特徴

その後、国内市場向けに排気量を縮小したGPZ750Rも販売されたが、バイクブームを受けて逆輸入という手法が国内でも盛んになった時期と重なり、GPZ900Rは日本市場でも大ヒット。北米市場の要望でつけた「ニンジャ」のペットネームも大流行した。

その後数多くの改良とマイナーチェンジを重ねながら、2003年の生産終了まで世界中のライダーから愛されたGPZ900R。現在でこそ「ニンジャ」はカワサキを代表するブランドのひとつだが、すべてはこのモデルから始まったのである。

人気を不動のものにした『トップガン』

画像1: カワサキ「GPZ900R」1984年|“Ninja伝説”の始まりとなった世界最速の超弩級スポーツ!【昭和の名車解説】

「ニンジャ」人気を不動のものにしたのが1986年公開の映画『トップガン』。当時はカワサキUSAの車両協力が得られず、ロゴを見せないためにさまざまな部隊ステッカーが貼られたのだが、その仕様が人気を博した。写真は2022年公開の『トップガン マーヴェリック』で実際に使用された劇中車。

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