文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
ホンダ「CB1000ホーネットSP」インプレ(宮崎敬一郎)

Honda
CB1000 HORNET SP
2025年モデル
総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:809mm
車両重量:212kg
発売日:2025年1月23日
税込価格:158万4000円
快活なフットワークのホーネットらしさは健在
久しぶりに「ホーネット」の名前を冠したモデルが復活した。ホーネットと言えば、元気なスタンタードスポーツというキャラクター。常用域での素直で軽快なハンドリングにスーパースポーツ譲りのエンジンを組み合わせた使い勝手のいい万能スポーツで、重厚なCB-SFシリーズに対して、ずっと手軽で快活な走りがセールスポイントになる。
今回登場したCB1000ホーネットはエンジン、フレーム、外観意匠、全てを一新している。前モデルに相当するCB1000Rと比べると造形や外観処理が薄化粧で、エンジンまわりの外観などは雑になってしまったが「手軽で軽快で快速」というキャラは変わらない。
今回試乗した「SP」バージョンは少し高価だが、スタンダード仕様は最も廉価なリッター直4スポーツだ。だがパワースペックはスタンダードスポーツのライバルより力強い152馬力。SPになると排気バルブを装備して158馬力とかなり強力だ。
SPの走りだが、やはり「手軽で楽しいホーネット」だ。リッタークラスにしては細めのリアタイヤ選択もひと役買っているはずだが、とにかく身のこなし、特に切り返しが軽い。フットワーク時の手応えはかなりの高速域でもCB1000Rより節度があり、ずっとダイレクトに応える。
それでいて、重さや過度の粘りを感じないところがいい。ツインチューブフレームならではといったところか。小気味良くフットワークさせられる。

エンジンはパワフルで、ライディングモードを「スポーツ」にし、排気バルブの作動する6000回転を跨いでワイドオープン加速をすると、低いギアなら勝手にパワーリフトする。しかし敏感過ぎて扱いにくいということはない。
出力特性的にも案外フラットで、街中でも普通に使えてストレスはない。スポーティな機動をする時に即応する力が得やすくなっている、というだけ。このクラスのスポーツネイキッドならラフなスロットルワークでフロントはリフトするもの。このホーネットが乱暴者というわけではない。むしろ、スペックの割にはジェントルなエンジンだと思う。
それにリアにオーリンズサスを擁するSPとて、SS並みのスポーツ性能は狙っていないと思われる。まず乗り心地がかなり良い。しかしターゲットとする速度レンジ、荷重域との関係だろうが、3速くらいまでを使い、深いリーンアングルでレッドゾーンまで回し切るような使い方をすると、路面のウネリやギャップを拾ったときに弾かれたり蛇行したりする。

得意なのは中域辺りまでの回転域を使った小気味良い駆け足だ。あと、扱いやすさにアグラをかいてペースを上げすぎると、バンクセンサーより先にエンジン下のエキゾースト集合部が接地し、少し怖い。
新世代ホーネットは強力で速くなったが、扱いやすいスタンダードスポーツ。身構える必要のない、素直な操縦性が最大の魅力だ。
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CB1000ホーネット|パールグレアホワイト

CB1000ホーネットSP|マットバリスティックブラックメタリック
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