ヤマハ「トレーサー9 GT」2025年モデルの特徴

YAMAHA
TRACER9 GT ABS
2025年モデル
総排気量:888cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
シート高:845/860mm
車両重量:227kg
発売日:2025年4月15日(火)
税込価格:159万5000円
新装備満載、足つき性や扱いやすさもアップ
「トレーサー9GT」は前身の「トレーサー900」からモデルチェンジし、2021年7月に発売されたスポーツツアラー。排気量888ccの水冷DOHC4バルブ“CP3”エンジンを搭載する。ロングツーリングをサポートする先進的な機能や特性が登場当初から特長だった。
新たに発表された2025年モデルは、これまで以上に装備を充実させツアラーとしての魅力を高めている。

まず目につくのが、個性的なフロントフェイス。量産二輪車として世界初の「マトリクスLEDヘッドライト」を搭載している。これは複数のロービーム用LEDとハイビーム用LEDを備えたヘッドライトシステムで、上部に組み込まれたカメラと連動して、周囲の交通状況を判断し、自動的に点灯・消灯し照射エリアを調整するというもの。また車体のバンク角に応じて、配光が変わるコーナリングライトの機能も有している。


スクリーンは新たに無段階で100mmの高さ調整を行なえる電動式となった。風洞実験と数値流体力学の解析を重ねて、フロントカウルとともに形状が見直されている。
電子制御系の新機能はほかにもある。メインキーをオンにした際、30秒間減衰力を低下させて車両の取り回しを支援する制御がKYBと共同開発したサスペンションに盛り込まれた。

さらに可変スピードリミッター「YVSL(ヤマハバリアブルスピードリミッター)」を新たに搭載。これは設定した任意の速度を超過しないよう、エンジン出力を自動制限するもの。設定の下限速度は50km/h、クルーズコントロールの操作スイッチを介して行なうほか、解除はスロットルを全閉方向へ押し込むことによっても可能だ。
走行モードは、4種のモードを選べる現行の「D-MODE」から、「YRC(ヤマハライドコントロール)」に進化し、走行フィーリングの選択だけでなく、各種電子制御の介入度も選べるようになった。プリセットの3種(SPORT/STREET/RAIN)のほか、2種のカスタマイズ枠(CUSTOM1/2)が用意されている。

それらを表示するメーターも7.0インチフルカラーTFTディスプレイに変更。多機能なのはもちろんのこと、3種の表示パターンの切り替えができる。専用アプリ「Y-Connect」でスマートフォンとの接続が可能。さらに「Garmin Motorize」アプリを使えば、ナビゲーション機能も利用できる。ハンドルスイッチも新形状のものに変わっている。



フロント右側にはスマートフォンなど小物を収納できるボックスを配備。内部にはUSBタイプAのソケットが備わる。メーターの下側にはUSBタイプCのソケットも標準装備。キーはハンドルロックの解除機能を備えるスマートキーシステムを採用。

車体面では、フレームの最適化が図られた。従来モデルのメインフレームを踏襲しつつ、ヘッドパイプ後部のステーとリアサスペンション上部のクロスチューブを最適化。操縦安定性及び、リアサスペンションの作動性に貢献しているという。
また、ライダーとタンデムライダーの居住性向上のため、長さを50mm延長した新作のリアフレームを採用。パイプ径と補強部材を最適化し、従来比で約150gの軽量化も達成している。

シートは内部のクッションを増量して快適性をアップ。形状は燃料タンクへ繋がる前部を徹底的にスリム化し、従来モデル以上の足つき性のよさを実現した。さらにハンドルの切れ角が従来の32度から35度へと増大しており、取り回しやUターンも行ないやすくなっている。
ボディカラーはマットライトグレーとマットダークグレーの2色が用意された。車両価格は税込159万5000円、2025年4月15日に発売予定。なお上級仕様車「トレーサー9GT+」の2025年モデルは詳細未発表となっている。

ヤマハ「トレーサー9 GT」2025年モデルのカラー・人気投票

マットライトグレーメタリック4(マットライトグレー)

マットライトグレーメタリック4(マットライトグレー)

マットライトグレーメタリック4(マットライトグレー)

マットライトグレーメタリック4(マットライトグレー)

マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)

マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)

マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)

マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)
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ヤマハ「トレーサー9 GT」2025年モデルの主なスペック・燃費・製造国・価格
全長×全幅×全高 | 2175×900×1440mm |
ホイールベース | 1500mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 845/860mm |
車両重量 | 227kg |
エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列3気筒 |
総排気量 | 888cc |
ボア×ストローク | 78.0×62.0mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 88kW(120PS)/10000rpm |
最大トルク | 93N・m(9.5kgf・m)/7000rpm |
燃料タンク容量 | 19L(無鉛プレミアガソリン指定) |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24°25′ |
トレール量 | 106mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W) |
乗車定員 | 2人 |
燃料消費率 WMTCモード値 | 20.9km/L(クラス3、サブクラス3-2)1名乗車時 |
製造国 | 日本 |
メーカー希望小売価格 | 159万5000円(消費税10%込) |
文:西野鉄兵