バイク選びのスタイルを変えた「等身大」の空冷スポーツ

シリーズ全て大ヒット! 1989年に登場したゼファーは年間に1万台以上販売される大ヒットとなる。この人気に応えて750、1100が相次いで登場し、いずれも人気となった。
後に名車と呼ばれるバイクの多くは逆風が吹く中から産声を上げているが、このゼファーもそんな1台だった。
開発当時はまだ昭和真っただ中。世の中はまだレプリカブームを引きずっている最中で、当時のヨンヒャクは自主規制いっぱいの59PSが当たり前の時代だった。
そんな中、空冷エンジン好きな技術者有志が集まって造っていたバイクはと言えば、旧GPZ400Fのエンジンで、パワーはわずか46PS。スタイルも懐古基調のものだった。

ダブルクレードルフレームにツインショック、空冷直4エンジン、集合マフラーといったメカニズムも、70年代的なネイキッドスタイルも、レプリカブームを経た1989年には新鮮だった。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2100×755×1095㎜
ホイールベース 1440㎜
シート高 800㎜
車両重量 202㎏
エンジン形式 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量 399㏄
ボア×ストローク/圧縮比 55×42㎜/9.7
最高出力 46PS/11000rpm
最大トルク 3.1㎏-m/10500rpm
燃料供給方式/燃料タンク容量 キャブレター/15L
キャスター角/トレール 27度/104㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 ダブルディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後 110/80-17・140/70-18

当時のカワサキはTTーF3レプリカ・ZXR400という花形モデルが出たばかり。販促活動のメインはこのZXRで、ゼファーにスポットが当たることは少なかった。
しかし、当初の予想とは大きく異なり、ゼファーは着々と売り上げを伸ばしていった。どんどん過激なスペックになっていくレプリカではなく、肩肘張らずに付き合える「等身大」のバイクを市場は求めていたのだ。
デカールだったロゴ類は全て立体エンブレムに。異形メーターは美しい砲弾型に。予想以上の大ヒットを飛ばした「伏兵」は、直後からその仕様を充実させ、のべ7年間も好セールスを記録するロングセラーとなった。
Detail

大径の丸型ヘッドライトを備えた、極めてオーソドックスなフロントマスク。メーターは写真の初期型以外は砲弾型メッキケースが付く。


Z400FXやGPZ400Fに採用されていた空冷直4エンジンをリファイン。当時400㏄の出力上限は59PSだったが、あえて最高出力は46PSに設定。

1991年2月に登場。メーターに砲弾タイプのカバーを装着、回転計内に燃料計も追加。ウインカー変更、ヘッドライト常時点灯化などの改良が施された。

Φ39㎜正立フォークに17インチ5本スポークキャストホイールを装着。ブレーキは片押し2ポットキャリパーにΦ300㎜ローターの組み合わせ。

KAWASAKI
平成元年/1989年
最高出力:46PS/11000rpm 最大トルク:3.1㎏-m/10500rpm

KAWASAKI
平成8年/1996年
1996年に登場。最大の変更点は空冷直4エンジンが4バルブ化などの大改良を受けたこと。車体の基本構成は受け継ぐが、足回りを中心に改良。