減速時のエンブレ特性も自由自在! スロットルをわずかに開けてエンジンブレーキを緩和する
【主な機能・効果】
1.急減速時のリアタイヤの暴れを緩和
2.スムーズなコーナー進入をサポート
走行中にアクセルを閉じると発生するエンジンブレーキ。
適度なエンジンブレーキは制動距離を短くし、コーナーに進入するきっかけとなるが、全開走行から一気にアクセルを戻したり、それにシフトダウンが絡むと、過大なエンジンブレーキがかかってリアタイヤがハネ回り、安定性を損なうことがある。
このシチュエーションはロードレースで頻繁に発生するため、1970年代後半のロードレースシーンで、過大なエンジンブレーキをクラッチで吸収するバックトルクリミッターが登場した。
その後大型車を中心に市販車へとフィードバックされ、現在ではスリッパークラッチとして250㏄クラスにまで採用されるメジャーなシステムとなった。
市販車レベルではスリッパークラッチで十分な効果が得られるのだが、年々高度化するMotoGPやWSB向けに、さらに一歩進めたエンジンブレーキ減衰システムが登場。
それがその名の通りのエンジンブレーキコントロールだ。
これもスロットル・バイ・ワイヤの登場によって実現したシステムで、ライダーがアクセルを全閉にしたときにECUが「このままでは過大なエンジンブレーキが発生する」と判断すると、スロットルバルブをわずかに開けてエンジンブレーキのかかりを緩和するようになっている。