専用のエンジンとシャシーを開発し軽快でよく走る250ccスポーツモデルを実現
SUZUKI RG250 1978~
1978年に初期型が登場したRG250は、2サイクル並列2気筒をパワーユニットとするなど、先代となる250㏄モデル、前項で見たGT250といくつかの共通性があるものの、開発過程が異なり、車両の性格や乗って受ける印象が大きく違っていた。
生産コストの問題から、フレームや前後ショック、装備などを変えずに排気量を縮小し、モデル数を増やす方式を選ぶメーカーが当時は多かったが、重たい車体がそれこそ重荷となり、走りがいまひとつの車両に仕上がることが少なくなかった。
そうした問題を打開するため、RG250ではエンジンやシャシーなどすべてを専用設計とした。鋼管製フレームは、GT250のダブルクレードルからセミダブルクレードルに形状を変更、徹底してぜい肉をそぎ落とした結果、軽量に仕上げられた。
全長は2005㎜、軸距は1320㎜を資料に記載するが、シート高はデータなし。キャスターは27度30分と今日の基準からすると寝かされるが、トレールは107㎜と一般的だ。車両重量は、乾燥は126㎏、装備は139㎏を公称。
ホイールは前後18インチで、タイヤはF:3.00S18、R:3.25S18を指定。丸いヘッドライトとウィンカー、四角いテール/ストップランプなど、バランスのとれた丹精な全体像だ。全幅は740㎜、全高は1065㎜を公称。
空冷並列2気筒は、54×54㎜のボア×ストロークより247.3㏄を得るのは同じだが、ピストンバルブのGT250用に対し、パワーリードバルブとピストンバルブを併用する方式に変更。最高出力はGT
250の32psより低い30psに抑えられるが、乾燥重量は実に34㎏も軽量なので走りは俊敏だった。
RG250が登場した当時、2サイクル250㏄スポーツはKH250しかなく、主流は4サイクルになりつつあった。しかしRG250は、軽量でハイパワーという2サイクルならではの長所を備えており、ユーザーにその面白さを再認識させた。
ブレーキは、フロントが有効径199㎜のディスクに片押し式シングルピストンキャリパーを組み合わせる。リアはドラムで内径は160㎜。リムはフロントが1.60×18、リアが1.85×18で、これはキャストになっても同一。フロントフォークはφ32㎜正立式、リアのツインショックはプリロードを調整できる。
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