作り手が考えることで正しい機能が得られる
「このカワサキZ1は元々18インチ仕様で乗っておられたものを、改めて18インチでフォークとステム以外の全部、作り直したものです。パーツ自体はいいものが付いてましたがそれらを全部外して、フレームもレイダウンや補強も外した上でリスタートしました」(サンクチュアリー・コウガ/立入さん)
最近カスタムで特によく言われるのが“組みの違い”という言葉だ。上質なパーツが市場に潤沢にあり、それである程度のカスタム化は可能だ。
でも、同じパーツを使ったら必ず仕上がりが同じになるかと言うと、そんなことはない。性能を発揮させるための組み方、組み合わせ方があるのだ。Zのような旧車だと、その差も出やすい。
「ツインショック車だと、特にリヤの動きにはっきり出ます。乗り味。バイクは足がちゃんと動かないと乗れないんですよ。ですからどうきちんと足が動いて、路面に追従させて、ライダーを安心させるか考える。ベストの動きというのがあるんです。サスの取り付け位置や角度、マウントからピボットへの距離=レバー比等々、考える要素も多いんです。
それで同じ18インチの見本車を用意して、動くのと動かないのを比べてもらい説明し、動く方が安心するというのを納得していただいて作業にかかりました。パーツでもそうですが、組み付けの際に“この数字が良かったから”とそのままで作るんでなく、何でそれで良かったのかということを考えながらやらないとベストにはたどり着けないと思います。作り手はいつも、どう動かしたら良くなるかを考えた方がいい」(立入さん)
そうして組み上がったのが上の状態。6速ミッションやシフトサポート等、同店の隠れ実力派パーツ群も組まれ、ペイントこそされるが落ち着きのある、ひけらかさない仕上がりに良好な乗り味。考えて組み上げられた、これぞ今時Z改の見本と言える1台となった。
Detailed Description 詳細説明
取材協力:サンクチュアリー・コウガ
記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ
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モーターマガジン社 (2019-09-27)