ドラッグの現場で実証中の、車体チューニングの意味
いかにもストリートカスタム然とした神田さんのカワサキKZ1000。1977年に発売されたA1型だ。普段は足としてストリートに使われる愛車で、ご覧の通り、外装はMK.ll仕様へと変更されている。
「このZはウチでJD‐STERへの参加のための、チューニングのお手伝いをしている中の1台です。オーナーはJDへの初エントリーから数えて、今季で8シーズン目。当初は街乗りの愛車、KZそのままで排気量は1075cc。カムもステージ1程度と、どちらかと言うと峠仕様のようなカスタムZだったのですが、VSB(ヴィンテージスーパーバイククラス)でのジャンプアップを意識して1200cc化、カムのリフト量も大幅に見直してからは、2シーズン目になります」と、クラスフォーエンジニアリングの横田正彦代表。
ただ、相変わらず街乗りがメイン。JD‐STERに参加する時だけ、サイドワインダーマフラーと、米国製M2ショック社のチューンがなされたオーリンズのドラッグショックを装着。車高を落とした仕様にして出場中。この仕様にしてからはVSBクラスでも上位入賞するようになり、タイムを少しずつ伸ばしているそうだ。
「ドラッグレース=エンジンパワーばかりに意識が行きますが、このZでは、車体側のカスタムで何とかパワーに勝る競争相手に立ち向かおうというのもテーマです。シャシーチューニングは、エンジンパワーを高めていくより製作費が廉価に済ませられ、維持費も、エンジンなら定期的に開けてチェックしなければならないのに対し、車体側なら一発決まってしまえばそこからのランニングコストが低く抑えられる。セッティングが決まれば走りの安定感も出ますから、ドラッグレースのトーナメント戦のように、短期決戦での集中力が問われるレースにこそ向いていると思うんです」(同)
シャシー・チューニングのドラッグレースでの有効性を試そうと、今春、横田代表も自身用にモノショックMKllを完成。同車から得るデータはいずれ、このZにもフィードバックされ、さらなるタイムアップにつながるだろう。Z好きには興味深いチャレンジだろう。
Detailed Description 詳細説明
取材協力:クラスフォーエンジニアリング
記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ
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モーターマガジン社 (2019-09-27)