ストリート用Ninjaのテストベッドとなる
このカワサキGPZ900Rはスイングアームやビレットパーツ製作で知られるウイリーによる、通称“赤ニンジャ”。今から25年ほど前、1995年頃に、お客さんからオートポリスサーキットを走るから何とかしてほしい、と頼まれて同社代表の富永保光さんがニンジャの車体チューニングに着手したものだ。
ハイグリップタイヤを履くので前後17インチホイール化が条件。そこで補強アンダーループ、5角目の字断面スイングアーム(ともに7N01材製)、そして17インチ対応のリヤサスペンションリンク、削り出し三つ又などを製作した。富永さんが会長を務めるONE&TWOクラブのオートポリスでのレースでも、4気筒車が多くなっていった時期と重なる。
「この時作った17インチ対応リンクは、今でも定番製品になってるよ」と富永さんは言う。その後、’05年までにストリート用ニンジャの車体チューニングをほぼ完成させた。
赤ニンジャのフレーム補強は主にステアリングヘッドまわりで行われていて、フロントエンジンハンガーはプレスのモナカではなく、パイプ化してある。スイングアームピボットも下げられ、ウイリー・ハイトコントロールBタイプのチェーンプラーによってリヤアクスル位置を下げ、尻下がりにならないように車高を補正した。
実走テストではノーマルよりも格段に剛性感があって、リヤの動きが良くなった。ただ、安定性が高過ぎて悪く言えば「高速ツアラーみたいだった。キャスター角がノーマル(29度)だから当然」と、富永さん。この時に培われたノウハウによって、Ninjaを17インチ化した時に必要なリンク比や車高といったものが同社製パーツに反映されることになったのだ。
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