文：中村浩史、オートバイ編集部／写真：南 孝幸
125ccスポーツバイクの魅力（文：中村浩史）
スポーツライドの楽しさは馬力でもスピードでもない
原付二種、125ccといえば、やっぱり味わいたくなるのは経済性、軽量コンパクトさ。けれど、現代の125ccは、史上かつてないほどにスポーツ性を持ち合わせているのを忘れちゃいけない。
最高出力は、せいぜい15PSだ。最高速度は110km/hそこそこで、加速だってさして鋭くない。
けれどその動力性能を、無駄なく100％引き出すのが小排気量の難しさ、面白さ。だから勉強になる。GPライダーがトレーニングで小排気量車を使うのは、まさにこの「無駄なく100％引き出す」練習をしているのだ。
その125ccクラスで、もっともスポーツ性が高いのは、スズキ・GSX-R125！ 水冷DOHC4バルブエンジンを搭載し、最高出力もクラストップの15PS。低回転トルクは125ccなりの非力さを感じるが、1万回転も回るDOHCシングルは7000回転あたりから力が盛り上がってきて、どんどんスピードを乗せられる。
ホンダ「CB125R」（従来型）
ハンドリングで楽しさを味わせてくれるのはホンダ・CB125R。エンジン搭載位置や重心、前後サスペンションの動きなど、上手く走るとピタッと狙ったラインをトレースできる正確さがある。高回転ではパワフルで、上級モデルと遜色ないスポーツランを味わうことができるのだ。
従来型は、最高出力13PSだったが、2021年4月22日に発売される新型では、エンジンを一新し15PSまでパワーアップ。よりいっそう魅力的な一台となる。
125ccは、非力とはいえ、その100％の性能を引き出すことが難しく面白い。ライディングの面白さは、パワーやスピードだけじゃない、ということを思い知らせてくれるカテゴリーなのだ。
スズキ「GSX-R125 ABS」
総排気量：124cc
エンジン形式：水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高：785mm
車両重量：134kg
2021年モデルの発売日：2021年1月18日
メーカー希望小売価格：税込41万5800円
クラス最高の15PSをマークするGSX-R125。現行では国内メーカー唯一の125ccフルカウルスポーツとなる。サーキット走行も楽しみたいという人には、うってつけの一台だ。とはいえ、ライディングポジションのキツさはそれほどでもないので、通勤や街乗りもこなせるぞ！
スズキ「GSX-S125 ABS」
総排気量：124cc
エンジン形式：水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高：785mm
車両重量：133kg
2021年モデルの発売日：2021年1月18日
メーカー希望小売価格：税込38万2800円
「GSX-R125」と同じエンジンを搭載するネイキッドスポーツ。カウルがない分、重量は「R」よりも1kg軽い。アップライトなポジションのため、街乗りからワインディング走行まで存分に楽しめる。「日常的に乗りながら、ときどきツーリング」そんな使い方をしたい人におすすめだ。
ホンダ「CB125R」
総排気量：124cc
エンジン形式：水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高：815mm
車両重量：130kg
2021年モデルの発売日：2021年4月22日
メーカー希望小売価格：税込47万3000円
ホンダ車で前後17インチのタイヤを履いた原付二種スポーツモデルは、このCB125Rのみとなる。2021年4月に発売される新型は、DOHC4バルブエンジンを搭載し、最高出力を15PSまでパワーアップ。倒立フロントフォークはショーワ製の高性能なものを新採用。前後ディスクブレーキにはABSも搭載。クラスを超えた装備が魅力だ。
文：中村浩史、オートバイ編集部／写真：南 孝幸
