
SUZUKI Hayabusa
2021年モデル
総排気量:1339cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:800mm
車両重量:264kg
発売日:2021年4月7日(水)
メーカー希望小売価格:税込215万6000円〜222万2000円
パワー、トラコン、アンチリフト等を好みに応じて6つのモードで統合制御
SDMS-α

SDMS-αのセッティングメニューはメーター中央にあるカラーTFTモニターに表示可能。セッティング表示も見やすいレイアウトだ。
先代ハヤブサにはパワーモードを3段階に切り替える「S-DMS」が採用されていたが、今回の「SDMS-α」はその発展版と言うべき内容。パワーモード、トラクションコントロール、アンチリフトコントロール、エンジンブレーキコントロール、クイックシフターを統合制御するもので、あらかじめ設定されているプリセットメニューが3段階、ユーザーの好みのセッティングを保存できるモードが3段階の、合計6段階の中から切替可能だ。

スロットルレスポンスの異なるモード1と2、スロットルレスポンスとパワー自体も抑えるモード3の中から状況に応じて選択できる。

各種設定、切り替え、選択はハンドル左にある大型のスイッチで行う。スイッチ自体は操作しやすい形状となっている。
待望のIMU搭載で制御レベルが一気に進化!
IMU
いまや電子制御に欠かせないIMU(慣性計測装置)。新型ハヤブサはボッシュ製の6軸IMUを搭載。トラクションコントロール、アンチリフト、アクティブスピードリミッター、クルーズコントロール、モーショントラック・ブレーキなどにこのデータを使用する。

IMUが測定するバイクの動きの模式図。ロール(向き)、ピッチ(前後の沈み込み)、ヨー(傾き)の3方向に加減速を掛け合わせた6方向の動きを測る。

IMUの装置自体は非常に小さなもので、手のひらに収まるサイズ。写真はボッシュ製IMUだ。バイク用は6軸が主流だが、スマホには9軸(!)が使われている。
「S.I.R.S.」の主要機能を一挙紹介
トラクションコントロール

前後輪の速度やIMUからの走行状況情報をもとに、後輪のトラクションを失ったとコンピューター(ECM)が判断した場合にパワーを抑えるシステム。10段階設定でOFFも選択可能。
パワーモード

パワー特性を好みの3段階の中から選ぶシステム。モード1と2はスロットルレスポンスは異なるが、アクセル全開時にはフルパワーとなる。
クイックシフトシステム

いまやスポーツバイクだけでなく、ツアラーにも必需品となりつつあるクイックシフター。クラッチを使わずシフトアップ/ダウンが可能で、フィールの異なる2段階+OFFを用意。
アンチリフトコントロール

いわゆる「ウイリーコントロール」で、急加速時にフロントホイールがリフト、ウイリーしてしまうリスクを下げるためのもの。10段階の中から設定可能で、OFFにもできる。
エンジンブレーキコントロール

好みに応じてエンジンブレーキの効きの強弱を設定できる機構。急減速時や急激なスロットルオフ、シフトダウン時などに有効。3段階の中から効きを選べ、OFFも可能。
ローンチコントロール

サーキット走行やゼロヨン計測などに役立つ機能。4000rpm、6000rpm、8000rpmに合わせて作動する3段階が用意され、急発進時のウイリーを抑える。解除も可能。
アクティブスピードリミッター

標準装備されるクルーズコントロールの別機能ともいうべきもので、設定した速度以上のスピードが出ないようにする機構。市販二輪車では初搭載。走行中でも任意に解除可能。
モーショントラックブレーキ

直進時だけでなく、コーナリング時にもABSの制御が可能で、IMUからの走行情報をもとに適切なブレーキの油圧を制御、コーナリングをしている最中のパニックブレーキにも対応。
ヒルホールドコントロール

坂道で停止した際に30秒間リアブレーキをかけ、発進をアシストしてくれる。下り勾配に応じてABSの制御を最適化する「スロープディペンデントコントロール」も装備されている。
まとめ:オートバイ編集部