文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年6月28日に公開されたものを転載しています。
予選は今シーズン優勝経験者が1-2-3-4の位置を獲得!
歴史あるアッセンでのMotoEの一戦ですが、FP(フリープラクティス)1はウェット状態、FP2は大雨でキャンセルという、雨にたたられた幕開けとなってしまいました。しかし、予選のQ1が始まるころには雨が上がり、今シーズン2勝のドミニク・エガーター(ダイナボルト インタクトGP)がポールポジションを獲得。2番手には同じく2勝のエリック・グラナド(LCR E-チーム)がつけました。
予選3番手はマッテオ・フェラーリ(フェロ グレシーニ MotoE)、4番手にはマティア・カサディ(ポンス レーシング40)と、ともに今シーズン1勝を記録しているイタリアンライダーが予選上位につけ、実力者たちが順当に好グリッドを確保した結果になりました。
D.エガーターが、土曜日のレースを制して今シーズン3勝目を記録!
電動車によるMotoEは伊のエネルジカ製エゴ・コルサのワンメイクレースゆえ、マシン性能差が実質少ないことにより毎戦激しいバトルが繰り広げられることになり、それが魅力のひとつとなっています。今回のレース1の序盤3周はM.フェラーリが先頭をキープしますが、4周目からはE.グラナドがリーダーとなって先頭集団を引っ張る展開となりました。
フェラーリとグラナドが首位に立つ間、2〜3番手の座をキープしていたD.エガーターは、残り1周で2番手の位置からシケインにてE.グラナドのパスに成功。そのまま加速競争に勝利し、今シーズン3勝目を手中におさめました!
MotoE2022 第4戦オランダ レース1 リザルト
1 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE 13'55.7040
2 51 エリック・グラナド LCR E-Team +0.072
3 27 マティア・カサディ Pons Racing 40 +0.081
4 11 マッテオ・フェラーリ Felo Gresini MotoE +0.507
5 4. エクトル・ガルゾ Tech3 E-racing +0.960
6 71 ミケル・ポンス LCR E-Team +1.224
そしてレース2は波乱の展開に・・・
日曜日のレース2は、にわか雨の影響で2度にわたりスタートが遅れることになりました。スタートディレイにより8周から6周に短縮されたため、よりスプリント性が高められたレース2の序盤をリードしたのは、4番手スタートのM.カサディでした。
D.エガーターをパスし、3周目にM.カサディのインを攻めたE.グラナドは首位に浮上! しかしM.ポンスがハイサイドで投げ出され、これを避けられなかったマルク・アルコバ(オープンバンク アスパー チーム)が転倒。アルコバは再スタートしたものの、M.ポンスがコース脇で手当てを受けることになったためレースは4周目で赤旗中断となり、そのまま再スタートを切ることなく終わる結果となりました。
それゆえに、3周目終了時点でハーフポイントによる順位決定となり、優勝はE.グラナド、2位にD.エガーター、3位にM.カサディがレース2の表彰台に登壇することに・・・。サマーブレイク前のランキングは、首位エガーターが158点、2位グラナドが126.5点、そして3位フェラーリ112.5点という並びになりました。
7月9〜10日に決勝2レースが行われる予定だったフィンランドラウンドがウクライナ紛争の影響で中止となったため、今シーズンのMotoEは8月20〜21日のオーストリア、9月3〜4日のサンマリノの2ラウンドを残すのみ・・・です。
情勢としては今シーズン好調をキープし、順調に勝利数とポイントを積み上げてきたエガーターが優位を保ってサマーブレイクを迎えたことになりますが、はたしてこのまま逃げ切って初のMotoEタイトルをエガーターが掴み取るのかどうか・・・? それとも大とんでん返しがあるのか? 夏休み明けも、電動車による熱いバトルを期待したいです。
MotoE2022 第4戦オランダ レース2 リザルト
1 51 エリック・グラナド LCR E-Team 5'21.0940
2 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE +0.270
3 27 マティア・カサディ Pons Racing 40 +0.556
4 11 マッテオ・フェラーリ Felo Gresini MotoE +0.646
5 7 ニッコロ・カネパ WithU GRT RNF MotoE Team +2.784
6 17 アレイシ・エスクリチ Tech3 E-racing +2.805
MotoE2022 ランキング ※2022年6月26日時点
1. D.エガーター スイス 158
2. E.グラナド ブラジル 126.5
3. M.フェラーリ イタリア 112.5
4. M.カサディ イタリア 98
5. M.ポンス スペイン 79
6. N.カネパ イタリア 70.5
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)