文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年9月4日に公開されたものを転載しています。
ポールポジションは、ランキング首位のD.エガーターが獲得!!
イタリアの電動ロードレーサー、エネルジカ エゴ コルサを使うワンメイクレースであるMotoEは、MotoGPの各クラスのように明確なマシンの戦闘力差が存在しません(もちろん、チームの力の違いは存在しますが)。タイトル争いを優位に進める上で、予選で良いスターティンググリッドを獲得するのは非常に大事です。
注目の予選でポールポジションを獲得したのは、前戦オーストリア終了時点でランキング首位にいるドミニク・エガーター(ダイナモルト インタクトGP)でした。2、3位はともにポンス レーシング40に属するマティア・カサディとジョルディ・トーレス。エガーターとともに、タイトル争いの主役をつとめるエリック・グラナド(LCR E-チーム)は、グリッド上でエガーターの背後に位置する予選4番手という結果でした。
途中、グラナドがエガーターをパスしましたが・・・
ドライコンディションで行われた8周のレース1、2列目スタートのグラナドは首位に浮上。しかし4周目にエガーターはグラナドをパスし、リードを奪い返しました。
しかし、2位走行中だったグラナドが14コーナーで転倒!! 首位を走るエガーターは、再スタートしたグラナドがノーポイントで終わり、自身が8位以内でレース1のチェッカーフラッグを受ければ、2022年MotoE王者になれるシチュエーションになりました。
ライバルの転倒により、エガーターは心理的にだいぶ楽になった・・・と思いきや、レース後の彼のコメントによると、自身がタイトル獲得に優位という状況になったことでかえってナーバスになり、リラックスすることができなくなってしまったそうです・・・。
しかし集中力を維持して、限界までプッシュすることを心がけた結果、最終周の第8コーナーでM.カサディにパスされて優勝こそは逃すものの、2位でゴールして見事タイトルを獲得! なお3位には、マッテオ・フェラーリ(フェロ グレシーニ MotoE)が入賞しました。
なお来週はマニクールで、MotoEと掛け持ち参戦している世界スーパースポーツ選手権を走らないといけないエガーターですが、先にMotoEタイトルを決めたことで気分良く世界スーパースポーツ選手権2連覇に向けて戦えるのではないでしょうか?
レース1でタイトルが決まったことにより、9月4日(日)のレース2の大きな見どころがひとつ減ってしまったわけですが(苦笑)、来シーズンからドゥカティV21Lにマシンが変わるため、エネルジカ エゴコルサ最後のMotoEになること・・・。そして唯一の日本人参戦ライダーである大久保光の活躍などを期待して、今シーズン最終戦のMotoEを観ることを楽しみにしたいです。
MotoE2022 第6戦サンマリノ レース1 リザルト
1 27 マティア・カサディ Pons Racing 40 13'52.4130
2 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE +0.134
3 11 マッテオ・フェラーリ Felo Gresini MotoE +0.188
4 40 ジョルディ・トーレス Pons Racing 40 +0.288
5 17 アレイシ・エスクリチ Tech3 E-racing +5.086
6 7 ニッコロ・カネパ WithU GRT RNF MotoE Team +5.196
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7 78 大久保光 Avant Ajo MotoE +5.534
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)