文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
スズキ「Vストローム1050DE」インプレ(宮崎敬一郎)
オフロード適性を高めて楽しみ方が広がった!
Vストローム1050XTがオフロード適応力を高めて生まれ変わった。まず目につくのはフロントホイールのサイズアップ。19インチから21インチに大径化することで走破性を向上させている。リアは高剛性なクロススポークタイプのリムに変更。サスも見直され、シート高、最低地上高も上がった。
Vストローム1050は、もともとアドベンチャーとしては高剛性な車体なのが特徴。前モデルでは150km/hくらいでフルバンクするようなコーナーでも安定して切り返せる実力を誇っていた。ただし、BMWのS1000XRほどオンロード志向は強くなく、ダートを普通に流せるような守備範囲がありながら、オンでもスポーティという走りのキャラクターだった。
先代XTも衝撃吸収性に優れるスポークホイールを採用して不整地走行のポテンシャルを上げてきたが、今回はオフ志向への転換にも感じられるほどの大変更と言っていい。
実車を見て、まずは背が高くなっているのに驚く。21インチ化のせいだろうか、オンでのハンドリングは粘るようなタッチに変わっている。安定していると言えばそうなので、これはツアラーとしてはマイナスではない。
試乗車はほぼ新車で、サスにはまだアタリが付いていない状態と思われるが、高速で乗り越える突発的な段差などではフロントもリアも少し硬め。一方、60〜70km/hではフロントは見事にしなやかでソフト。リアは重積載やタンデムを意識してだろうか、バネが硬めで、減衰も強めの感触。ツーリング時の使い方に対処した味付けになっている。
舞台がワインディングになるとやはり強く、フロントの細身タイヤの接地感が若干心もとないところもあるが、どデカいアドベンチャーなのに気楽に峠道をスイスイと駆ける。だが、両手の拳を足したくらいの礫が路面から突き出た土道、軽トラのワダチがあるような林道でも、ビックリするほど楽しい。
まず乗り心地がいいし、ハンドルも取られない。それにトラコンの「G」モードの制御が実にいい。意識して滑らせられるし、滑りも程よいところで止めたまま走れる。ただし、フラットダートを調子に乗って飛ばすと、フロントサスが割と簡単に底付きする。
Vストローム1050DEは、大きさと重さこそちょっと手強いが、程よく、無茶せず、あらゆる道でツーリングを楽しめるバイクに仕上がっている。
スズキ「Vストローム1050DE」カラーバリエーション
Vストローム1050DEのボディカラーは全2色の設定。
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