ほぼ完成域と言える作り込みの先も楽しんでいく
フレームマウント化されたビキニカウルやシングルシート。さらにホンダNR(オーバルピストンV4の750cc)の高彩度・赤をベースにフェニックスをイメージしたグラフィックでのフルペイント、各部のゴールド&ブラックパーツ。それだけをピックアップしても、かなりのレベルにある車両だと思えるZRX1200R。
「今回はちょうど整備と車検のタイミングで入庫しました。この状態にいったん完成してから(撮影時点の’22年秋で)もう5年以上経ちますけど、いい状態をそのままにキープされています。変更点はマフラーをノジマ製に換えたくらいですね」と、トレーディングガレージナカガワ・中川さん。
車両は’01年型がベースで、同店には当初、キャブレターのセッティング相談で来店。シャシーダイナモと実走セッティングによって完璧と呼べる状態まで仕上げられ、オーナーの悩みも解決された。そこから、車体や足まわりといった他のパートの相談に及び、オーナーの好みも加えながらこの姿に至ったのだという。
ちなみにエンジンの仕様は、ノーマルスペックからカムシャフトのヨシムラST-1への交換のみ。だが、TGナカガワの潤滑強化機構DOS-R(カムまわりに直接オイルを噴射する)や同じくHIR点火ユニット(点火カーブを好みで作れる)、DIS(ダイレクトイグニッション、点火コイルとプラグ部分を一体化し、点火を大幅に強化)などの補機類もきっちり組まれ、不安はまずない。
車体側も脱着式の右側ダウンチューブのクロモリ化(純正はアルミ製)や強化エンジンハンガーの使用、ツキギ製サブフレームも装着と、しっかり出た足まわり/エンジンのセッティングを正しく生かすように見直しが行われている。
「エンジンも車体も現状で十分と思いますけど、もし今後やるとしたら、エンジンかなとは思います。ZRX1200Rはめっきシリンダーですから、排気量はそのままでハイコンプ化、ミッションの[5→]6速化でしょう。それでオーナーの好きなGT、グランツーリスモ的な走りが詰められる。車両を製作してから今までの間に当社でも充実化が進んだR-Shot#M加工(TGナカガワ独自の表面処理で対象物の表面強度や潤滑性を高めてくれる)もその時に合わせて考えることにはなるでしょうか」とも中川さん。
既に理想的ではあるけれど、今後に向けた選択肢も、それに応えるショップのメニューも想定済み。楽しみはまだまだ先があるのだ。
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Detailed Description 詳細説明
外装の特徴でもあるノジマ製耐久カウルはフレームマウントされる。左右マスターシリンダーはゲイルスピードVRCを使う。
メーターはカーボンパネルにスタック製ST700ダッシュシステム(アナログエンジン回転計/デジタル速度計/各種警告灯を備える)、アクティブ製デジタルモニターコンパクトなどを配置したTGナカガワワンオフ品。ステムはウイリー製アルミ削り出しをゴールド仕上げ。
ホンダNR(オーバルピストンV4)の赤をベースにフェニックス(火の鳥)をイメージしたカラーリングはハイライトが塗装したものだ。
シングルシートはレオパルド製を装着。リヤウインカーはアクティブのLED ナンバーサイドウインカーでスマートにまとめている。
エンジンはカムをヨシムラST-1に変更するのみで本体はZRX1200Rのほぼノーマル状態。ラジエーターはアクティブで大型化し冷却性を向上、ほかにTGナカガワ製DOS-Rに同HIR点火ユニット、DISなど、定評の高いパーツを吟味した上で要所に装着しているのも特徴だ。車体側は右側をクロモリダウンチューブ化、また強化エンジンハンガーを使うほか、ツキギ製サブフレームも装着されている。
キャブレターには車体色に合わせてファンネルをゴールド×レッドとしたデュアルスタックファンネル仕様のFCR-MJNφ37mmをチョイス。
排気系はスパイラルコレクターを持ったチタン4-1のノジマエンジニアリング・DLCチタンマフラーを組み合わせている。
フロントフォークはオーリンズ正立φ43mmのGセンス仕様(削り出しボトムケース含む)をTGナカガワで改修。リヤショックも同様。フロントブレーキはブレンボGP4 RXキャリパーにブレンボディスクの組み合わせで、ディスクインナーはブラック×レッドとした。
スイングアームはウイリー製5角目の字断面材製のショート仕様。リヤブレーキはブレンボCNC P2 34キャリパー(スイングアームとセットのウイリー製キャリパーサポートでマウント)にブレンボディスク。ホイールはMAGTAN JB4で3.50-17/5.50-17サイズを履く。