17インチZの現代標準と言える内容の作り込み

ひと目見てそれと分かるスマートなボディラインに、しっかりと手の入ったエンジンとフレーム。足まわりも高質な作りを得ているし、フロントはオイルクーラーサイド、リヤはナンバーホルダーサイドにとマウントされたウインカー。さらにはオリジナルパネルを作った上でワンオフでレイアウトされるメーターというような細部からも、凄さが見て取れる。その凄さも押しの強さでなく、冒頭のようなスマートさに昇華される。ブルドックによるコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)のZ1-Rだ。

「エンジンはJ系ヘッドで排気量は1105cc。いつも通りにピスタルレーシング製鍛造ピストンを使って内燃機加工も自社内で行っています。ミッションは当社オリジナルの5速クロスを組んでいます」

画像1: 17インチZの現代標準と言える内容の作り込み

ちょっとおとなしめの仕様ですけど、とブルドック・和久井さんは説明してくれるが、一般的な目から見れば十分ハイレベル。車両メーカー・カワサキが空冷Zへの対策や性能強化を進めたZ1000J系シリンダーヘッド。そのコンバートや、レシオやつながりまでも吟味したクロスミッションの組み込みなどを当たり前にしているGT-Mだからこその言葉だとも言える。

その“すごい内容が当たり前”は、冒頭で列記したような他のパートにも及んでいる。もう少し説明するならば、少し背の高い感じのある前後18インチのZ1-Rノーマルから、17インチ仕様で最新モデルに並ぶような低く流れるスタイルを作り出しているオリジナルのマッコイビキニカウル&サイドカバー一体シングルシートもそのひとつだろう。

画像2: 17インチZの現代標準と言える内容の作り込み

フルカスタムした際のバランスを取るのがZシリーズで一番難しいと和久井さんも捉えるZ1-Rに、17インチに合った破綻のない流麗な全体像を与えているのだ。

その上に、これまでもGT-Mを説明する上で話してきたような色使い=ハードパーツのカラートーンを揃えたり、ボディカラーとの連動や対比を作ったりという点が重なって、高い内容の作り込みを当たり前のように感じさせてくれるということだ。それがどの車両にも感じられる点にも、改めて注目しておきたい。

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ビキニカウルやシングルシートカウル、アルミタンクはいずれもマッコイ・ブランドで、統一感も与えている。ミラーはマジカルレーシングNK-1ミラーのタイプ3ヘッドをチョイスした。

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メーターパネルはカーボンでワンオフされ、スタックST200エンジン回転計を中央に、左下にモトガジェット・デジタルスコープミニ(速度を表示)/モトサイン、右下にヨシムラ・プログレスメーターを配する。ハンドルはマッコイ・セパレートで左右マスターシリンダーはブレンボRCSを使う。ステムはマッコイで上にハイパープロ・ステダンを置くのも定番と言える。

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フロントウインカーはカウルやフロントフォークサイドでなく、オイルクーラーサイドに縦長LEDを配置するオリジナルスタイルだ。

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シートはマッコイ・スプリーム。リヤもフロントに合わせた形状のLEDで、ナンバーホルダーサイドにスマートに配置を採っている。

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エンジンはZ1-R純正の1015ccからピスタルレーシング製鍛造ピストンで1105cc仕様に排気量を拡大、シリンダーヘッドは純正でもチューニングが進んだZ1000J系にコンバートされている。ミッションはマッコイ・5速クロスで軽量化やパワー強化されたZに適したレシオを獲得。適正チェーンラインを確保するマッコイ・アウトボード&オフセットスプロケットも備えてある。

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キャブレターはFCRφ35mmを使う。このカットからもシリンダーヘッドがZ1000J系(カムホルダー部/ヘッドカバーが角型)と分かるだろう。

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φ43mmフロントフォークはMccoyナイトロンで、フロントブレーキはブレンボAxial CNC 4Pキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスク。フロントフェンダーはカーボンだ。

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リヤブレーキはブレンボ2Pキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスク。排気系はWin Mccoyフルエキゾーストを使う。

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スイングアームは5角目の字断面7N01材製のMccoyでリザーバー別体リヤショックはMccoyナイトロン。リム部にBULL DOCKロゴの入るホイールはBSTのダイヤモンドテック・カーボンで3.50-17/6.00-17サイズを履く。

取材協力:ブルドック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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