カワサキ「ゼファー」特徴

Kawasaki ZEPHYR
1989年
総排気量:399cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
シート高:770mm
乾燥重量:177kg
等身大で付き合える気軽さがヒットを呼んだ
1980年後半を支配した空前の「レプリカブーム」だったが、1980年代終盤にさしかかると、その勢いにも翳りが見え始める。その主たる原因は行き過ぎた高性能と高価格。戦闘力向上の結果パフォーマンスと同時に価格も高くなったレプリカたちは、レースと無縁な一般のライダーたちから「自分たちが求めるバイクではない」と敬遠され始めたのだ。
そんな中で登場したのがカワサキのゼファー。GPZ400F譲りの空冷4気筒ユニットを、往年のZを思わせる優しい曲線を描いたボディに搭載したロードスター。同年登場した花形のレプリカ・ZXRシリーズが「同級生」だったこともあってか、広告宣伝の類は控えめで、コスト削減のためタンクとサイドカバー上のロゴはバッジではなくステッカーという質素な仕上がりだった。
ところが、発売されてからというもの、ゼファーはじわじわとその勢いを増してゆく。高性能だが乗り手への要求度も高いレプリカに疲れてしまったライダーにとって、ゼファーは背伸びせずに付き合える「ちょうどいい相棒」だったのである。このゼファーをきっかけに、レプリカブームに代わってネイキッドブームが始まっていくのである。

和風テイストの広告が多かった
ゼファーが登場した1989年は、終焉に向かってはいたものの、まだレプリカブームのまっただ中。各社の広告は花形のレプリカモデルが主流で、大ヒット前だったゼファーのものは比較的少な目だった。これは初期型の広告。ゼファーはこれ以降、400以外のモデルも和風テイストの写真を使った広告展開をメインにしていくことになる。