1980年代も終盤にさしかかると、ライダーたちが熱狂したレプリカモデルの人気は徐々に下降線をたどり、ブームの終焉が見え始めていた。それと入れ替わるように、ジワジワと人気を伸ばしていったのがゼファー。そして日本はネイキッドブームへと舵を切っていく。
カワサキ「ゼファー」各部装備・ディテール解説
徐々に人気を高め、人気モデルへの階段を上り始めたゼファーは、年を追うごとに商品力を向上。1990年の2型では車名ロゴが立体バッジになり、1991年の3型からは、車体デザインに似合う、砲弾型の2眼メーターが装備された。
GPZ400Fをルーツとする空冷4気筒。59PSマシン全盛の中でスペックは46PSだったが、過不足のないパワーと扱いやすさが受けた。
開発当初は4本出しも検討されたというマフラーは、コンパクトな集合タイプとなり、スッキリしたイメージにまとめられた。
スリムな5本スポークのキャストホイールに300mm径のダブルディスクを採用。足まわりのパーツにはモダンなものがおごられた。
リアまわりのパーツもモダン。スイングアームはアルミ製で、チェーン調整はカワサキ独自のエキセントリックカム式を採用。
リアサスペンションはリザーバータンクを備えた2本ショックを採用。走りに関するパートにはしっかり力が入っていた。
往年のZ1を思わせる、優美なフォルムのタンクデザインだが、ニーグリップ部はしっかり絞り込まれ、機能も確保されていた。
初期型のメーターはタコメーターを大きく取った、レプリカのメーターのようなスタイルのアナログ2眼。これは1990年登場の2型まで引き継がれた。
滑りにくいメッシュ風の表皮に、アンコ抜きのような2段形状で、カスタムイメージも併せ持ったシート。足つき性も上々だった。
Z1を想起させるボディデザインだが、テールランプはZ1風の丸型ではなく、下部を直線基調でまとめた独自の形状を採用。
カワサキ「ゼファー」主なスペック
| 全長×全幅×全高 | 2100×755×1095mm |
| ホイールベース | 1440mm |
| 最低地上高 | 120mm |
| シート高 | 770mm |
| 乾燥重量 | 177kg |
| エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 399cc |
| ボア×ストローク | 55.0×42.0mm |
| 圧縮比 | 9.7 |
| 最高出力 | 46PS/11000rpm |
| 最大トルク | 3.1kg-m/10500rpm |
| 燃料供給方式 | キャブレター |
| 燃料タンク容量 | 15L |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| キャスター角 | 27゜ |
| トレール量 | 104mm |
| ブレーキ形式 前・後 | Φ300mmダブルディスク・Φ240mmシングルディスク |
| タイヤサイズ（前・後） | 110/80-17・140/70-18 |
まとめ：オートバイ編集部
