MT-09の目玉はなんといってもY-AMTなのだが、その他にも大注目のSP仕様がある。このモデルにはフロントサスにKYB、リアサスにオーリンズを搭載したスポーツ走行に特化したモデルだ。インプレッションに入る前にY-AMTの機構とSP仕様のサスを“凸凹コンビ”こと、ノアセレンと横田和彦が解説する。
以下、文:ノア セレン、横田和彦/写真:関野 温

ヤマハ「MT-09」の“Y-AMT”と“SP”それぞれの仕様を解説

スペック上の主な相違点MT-09 Y-AMT ABSMT-09 SP ABSMT-09 ABS
車両重量196kg194kg193kg
燃料消費率 WMTCモード値 (クラス3-2)1名乗車時20.8km/L21.1km/L
メーカー希望小売価格(消費税10%込)136万4000円144万1000円125万4000円

新機構「Y-AMT」システムを横田和彦が解説

画像: (左)MT-09 SP ABS、(右)MT-09 Y-AMT ABS

(左)MT-09 SP ABS、(右)MT-09 Y-AMT ABS

飽くなき技術探究心は走りにどう影響する!?

電子制御システムの発達によって、続々と新技術が導入されるバイク業界。最近続けて発表されたのがクラッチレバーの操作なしに発進からシフトチェンジまでを行うシステムだ。

ご存知の通り市販車ではホンダが積極的でDCTやE-クラッチをリリースしているが、先日ヤマハが発表した新システムのY-AMTは「イージーさ」や「快適性」だけじゃなく「スポーツ性」も提供するという触れこみ。

高い運動性能を持つMT-09に搭載してくるあたりからも狙いが感じられる。これはスポーツライディング好きとしては見逃せないメカニズムだ。でもホントにスポーティさが体感できるのかな? という疑問を携えつつストリートでの試乗に挑んだ。

エンジンを始動したら右のハンドルスイッチにあるボタンでオートマチックモードかマニュアルモードかを選ぶ。あとは左のスイッチボックスにある+ボタンでギアを1速に入れてアクセルを開ければスタート。シフトチェンジは+ボタンか-ボタンを押すだけでできる。Y-AMTは初めてだったけど、基本操作はすぐに理解できたよ。


「MT-09」のSP仕様に採用されたサスペンションをノアセレンが解説

画像: 「MT-09」のSP仕様に採用されたサスペンションをノアセレンが解説

SPは高級サス&ブレーキ装備、つまりシリーズの上級版であることは不変!

Y-AMT仕様の登場でSP仕様が目立っていない気がするけど、マテマテ、MT-09の最上位は変わらずSPだぞ! 上級サスが標準仕様に対してより調整幅が広くセッティングの自由度が高いのは下の表を見てもらえば明らか。

そしてそれとは別に、ブレンボやオーリンズというブランド品をまとうというプレミアム感が大きいはず。フロントフォークはKYB製だが、インナーチューブにダイヤモンドライクカーボン(DLC)がコーティングされているというのも性能を誇示するようでカッコイイ!

加えてSPは電子制御に「トラックモード」が追加されてサーキットで細かなセッティングができるほか、メーターパネルも専用画面が表示される。さらにY-AMTとSP仕様には電子キーが採用されるなど、足まわりのアッププグレードだけではないのだ。

ただね、実は標準仕様のサスも好みに合わせてけっこう調整できたりしちゃうんだな! 価格差は19万円弱……さて、2台の乗り味の差はいかほどかな?

SP仕様はフルアジャスタブル調整機構付き

画像: SP仕様は左右それぞれに圧側・伸び側の調整機構を持つため、フォーク下部にもアジャスターが備わる。低速域・高速域でより細かい設定が可能。

SP仕様は左右それぞれに圧側・伸び側の調整機構を持つため、フォーク下部にもアジャスターが備わる。低速域・高速域でより細かい設定が可能。

画像: フロントサスはKYBに対して、リアサスはオーリンズを装着。車体右側には容易にプリロード調整ができるリモートアジャスターを配備。

フロントサスはKYBに対して、リアサスはオーリンズを装着。車体右側には容易にプリロード調整ができるリモートアジャスターを配備。

標準仕様(Y-AMTも含む)とSP仕様のサス調整機構の違い
フロントサスペンションMT-09 ABSMT-09 SP ABS
減衰力左:圧側
右:伸側
左右それぞれに圧側及び
伸側の減衰力を発生
減衰調整段数伸側:11段
圧側:11段
伸側:26段
圧側:低速18段・高速5.5段
減衰調整部位置フォーク上部伸側:フォーク上部
圧側:フォーク下部
プリロード15mm調整可能15mm調整可能
リアサスペンションMT-09 ABSMT-09 SP ABS
減衰力調整幅伸側:2.5回転
圧側:調整無
伸側:30段
圧側:20段
減衰調整部位置伸側:ショック上部伸側:ショック下部
圧側:ショック左下部
プリロード6mm調整可能8mm調整可能
プリロード調整部位置ショック下部シート右下部

ヤマハ「MT-09 Y-AMT」・ヤマハ「MT-09 SP」|スペック・価格

MT-09 Y-AMT ABSMT-09 SP ABS
全長×全幅×全高2090×820×1145mm
ホイールベース1430mm
最低地上高140mm
シート高825mm
車両重量196kg194kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
総排気量888cc
ボア×ストローク78.0×62.0mm
圧縮比11.5
最高出力88kW(120PS)/10000rpm
最大トルク93N・m(9.5kgf・m)/7000rpm
燃料タンク容量14L(無鉛プレミアムガソリン指定)
変速機形式6速リターン
キャスター角24°40′
トレール量108mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・180/55ZR17
燃料消費率 WMTCモード値20.8km/L(クラス3-2)1名乗車時21.1km/L(クラス3-2)1名乗車時
メーカー希望小売価格136万4000円(消費税10%込)144万1000円(消費税10%込)

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    MT-09 Y-AMT ABS
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    MT-09 SP ABS
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    MT-09 Y-AMT ABS
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    MT-09 SP ABS
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文:ノア セレン、横田和彦/写真:関野 温

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