ルックスも機能をより引き出すように使っていく
走りの水冷ネイキッドとして1997年に登場した1100、マルチユース性を高めて2001年から展開した1200。さらに2009年、国内専用にとアップデートされたDAEGと、3世代に分かれるZRXシリーズ。
それら各世代の特徴を生かし、多くの車両を製作/セットアップしてきたしゃぼん玉。代表取締役の滝川さんはその経験から、はっきり見える各世代に対しての傾向も掴み、これからを見込んだ対応を提案してくれる。1100のシャープ感やエンジン回転上昇が速いという特徴に対して、1200とDAEGはどんな特徴が見えるのだろう。
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「1100のシャープさとは逆に、1200/DAEGは安定性が大きいのがいいですね。手を入れて大崩れしない利点もあります。それもあって、手を入れたらその変化も安心して楽しめると言えます。この2車ではフレームは変わってませんし、変えなくて良かったものですね。ストリートならまず補強の必要はありません。サーキットを走るならまた別ですけど、別体の右ダウンチューブをノーマルのアルミからクロモリに変えてやる程度でいいです。それで操作系やポジション、スイングアーム含めたサスペンション、ブレーキにホイールといったあたりから換えていきます。軽くなったり操作感が良くなったりしますし、そうなれば車両全体として乗りやすくなって、楽しい。
パーツは厳選したものを、当社スタッフ全員が取り付け方、取り付けた後の全体感も考えて付ける。パーツが付いているだけでなく、ひとつ工夫する、センスアップして取り付けることを意識しています。乗り方や使い方をお教えいただければ、取り付けた上でセッティングもきちんと合わせていきます」
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これは滝川さんに聞いたポイントだが、しゃぼん玉本店のホロ店長(中村さん。この通称の方が通りがいいとのこと)、しゃぼん玉一宮店店長の熊木さんとも、同じように言う。
しゃぼん玉一宮店で長きに渡って手を入れてきた今枝さんのグリーンのDAEGはその好例と言えるもので、同店・熊木店長がプロデュースしながらその都度手を入れていった1台。変更が加わるごとにそれ対して全体のバランスを見ながら仕立てたこともあり、しゃぼん玉仕様のパッケージとしてスマートな仕上がりも得られている。パーツを揃えていくだけでも似たような作りには出来るかもしれない。でも、バランスを取るというのが実は大事で、それによって長く楽しめているし、次の案も浮かぶということだ。
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ステムはフォークオフセット30mmのDAEG純正でスクリーンはゼログラビティ・スモーク、カウルインナーパネルはマジカルレーシング・綾織りカーボン、ハンドルバーはアクティブ・ファナティックで左右マスターはゲイルスピードVRCと、必要な機能を加えている。ハンドルバーに付いたカエルはオーナーによる無事帰る、の遊び心。
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シートもホールド性の高いものにしている。ベースは2010年型のキャンディライムグリーンで外装は純正に準じ、好みのステッカーをアクセントとしている。
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フレームやエンジン本体、FIまわりはノーマルで、ウイリー製トップエンドオイルフィッティングやトリックスター・スライダーに同ラジエーターコアガード、アクティブ ハイフローラジエーターダクト(ラジエーターサイドのパーツ)やオーヴァーサブフレームを追加した。
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ステップはストライカースペシャルステップキット、ドライブチェーンはD.I.D 525ZVMXを使う。
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フロントフォークはオーリンズRWUでボトムケースのトップにカーボン綾織り仕様のケイファクトリー・フロントフォークガード(Mサイズ)を加える。フロントブレーキはブレンボ・P4-40Rアキシャル4Pキャリパーにサンスター・プレミアムレーシングディスクを組み合わせている。
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リヤサスはOVERスイングアーム Type-11 ZRX1200DAEGにハイパープロ・ツインショックピギーバックタイプのしゃぼん玉仕様を組み合わせる。ホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードTYPE-Eでサイズは純正に同じ3.50-17/5.50-17だ。
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リヤブレーキはゲイルスピード リアマスター+ブレンボP2-RS84 2Pリアキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクでマスターのリザーバータンクにはエーテックのZRX1200 DAEG リアブレーキタンクガードが付けられる。