【レビュー】ホンダ「CB125R」インプレ（2025年）大型カラーTFTメーター採用と各部の熟成で魅力倍増！

ホンダ「CB125R」インプレ（太田安治）

ゆとりあるサイズと乗り心地の良さが光る

前後17インチ以上のホイールを採用した車体は「フルサイズ」と呼ばれ、250cc以上のロードスポーツでは主流。125ccクラスのロードスポーツは12インチホイールのミニバイクが中心だが、タイヤ外径の大きさ、ホイールベースの長さにより、直進安定性が高いのはフルサイズモデル。車体も大きくなるのでライディングポジション、前後サスペンションのストローク量にも余裕がある。

そんなフルサイズ125モデルの中でも2018年に登場したCB125Rは、兄弟車のCB250Rとほぼ共通の車体を持ち、日常的なストリートユースからツーリングまで幅広く使える万能さで一躍人気モデルとなった。2021年には単気筒エンジンのボア×ストロークを変更し、シリンダーヘッドをDOHC4バルブに一新するなどのモデルチェンジを受けて最高出力15PSにパワーアップ。

フロントフォークは上級モデルと同様のショーワSFF-BPを採用し、路面追従性、乗り心地とも向上。エンジン、車体のトータル性能が大きく引き上げられた。さらに2024年4月のマイナーチェンジで欧州の排ガス規制ユーロ5+に対応し、5インチのカラーTFTメーターを装備したのが今回試乗する現行モデルだ。

市街地を走って実感するのは、250ccモデルと同等の車格が生む上質なハンドリング。初期モデルはスポーツ性を高めるためか、前後サスペンションとも硬めだったが、現行モデルは初期作動が格段にスムーズになり、路面の凹凸をキレイに吸収する。

前後のラジアルタイヤとのマッチングも良く、150mm幅という太めのリアタイヤを履いていることもあって130kgと軽量な装備重量からは想像しにくいほど落ち着いた操縦性。IMU付きのABSでパニック時や下り坂での急制動が不安なく行えることも頼もしさを感じる。

エンジンはDOHC4バルブだが、高回転でパワーを絞り出すタイプではなく、低中回転域でフラットにトルクが出ているフィーリング。全開加速し、シフトアップしたくなったところでタコメーターを見ると、どのギアでも8000回転近辺。ゼロ発進時やタンデム時にも125ccという排気量ゆえのトルク不足は感じず、交通の流れに乗るなら6000回転までで事足りる。

引き換えに8000回転からトップエンドの1万1000回転まではパワーの盛り上がり感が希薄で、小排気量エンジンならではの回し切る痛快さを求めるライダーには物足りなく感じられるかもしれない。とはいえ、ストリートコミューターとして捉えればこの特性が合っているのも事実だ。

ユーザーに話を聞くと、燃費は街乗りだけで35km/L以上、ツーリングでエコラン的に走れば60km/L近いとのこと。満タン航続距離は350～600kmになるから、給油の手間を減らせることもメリット。毎日使うコミューターとしても、エントリーモデルとしても秀逸なパッケージングだ。

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