足まわりパーツ群変更でZRXシリーズの運動性を高める
ラッピング塗装のメタリックグリーンが印象的なZRX1200DAEG。元々はT-REVで知られる寺本自動車商会のデモ車だったもので、その後塗装を行ったトミートイズデザインやベビーフェイス(ステップ等)、J・TRIP(森製作所/メンテナンススタンドで知られる)などいろいろなパーツメーカーの共同のデモ車というような位置づけになったという車両。今回はアドバンテージによる足まわりパーツが加わったので、それらの装着車として改めて紹介しよう。
追加で加わったのは前後のマグネシウム鍛造ホイール=アドバンテージ・EXACT RACING10、アドバンテージSHOWA RS-γリヤショック。さらにブレーキ系ではアドバンテージ・ダイレクトドライブレーシングディスクが前後に入り、フロントブレーキマスターシリンダーとクラッチマスターといった操作系にはアドバンテージニッシン・鍛造ラジアルマスターが使われる。
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いずれもボルトオンで装着でき、車種別に設定品が用意されているものばかり。つまり換装が容易(それでも作業は専門知識と技術を持つプロに依頼するべき)で、明確に効果が分かりやすい部分という点にも注目しておきたい。ZRXシリーズでカスタムを考えるときに優先度の高いパーツ群であることも付け加えておこう。
改めて順を追って説明していくと、鍛造ホイールは軽いことによって車体の軽さ、走っているときの操作の軽さを作り出すが、ただ軽いだけでなく、しっかりした芯をライダーに感じさせ、高い接地感やコントロール感も提供してくれる。アドバンテージ・中西さんによれば、12本スポークのEXACTも、10本スポークのEXACT RACING10も、大筋で同じデザインを継承しながら、進化するタイヤに合わせて細かい部分をアップデートしているとのこと。また近年ではブリヂストンタイヤと協力しながらデータ取りも行い、マッチングも高めているという。今ストリートで使うならこの車両が履いているようにブリヂストンS23はお勧めだという。
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SHOWA(日立Astemo)との共同開発によるリヤショックは細かいセッティングが可能で、換わったホイール/タイヤに対して、またライダーの好みや走りに対しての合わせ込みができる。それでトラクションを高めることもできる。さらにNISSIN(これも日立Astemo)のラジアルマスターはアドバンテージ・ダイレクトドライブディスクとともに重要なブレーキ系のコントロール性、もちろん制動性も高めてくれる。
覚えておきたいのは、こうしたパーツ群がどれも大物であるにもかかわらず、既にステップほかパーツを変更した後からでも換装されてしっかりなじんでいること。その上で先に付いていたパーツ群の機能を損なわず、車両全体の性能を引き上げていること。パーツが豊富でそれら同士の相性も考えたくなる中で、そこをあまり気にしないで追加できるという利点にも、改めて注目したい、そう思わせてくれる1台でもある。
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フロントマスターシリンダーはアドバンテージニッシン・鋳造ラジアルブレーキマスターφ19(φ3/4相当。シルバーレバー、2万2550円/価格は'25年1月現在、以下当記事内同)。ここではベビーフェイス製レバーガード(TypeA)/ハンドルバーエンドも装着。
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クラッチマスターシリンダーもアドバンテージニッシン・鋳造ラジアルマスターに。別体タンク式だ。ミラーはマジカルレーシング製NK-1ミラー・タイプ5ヘッドをチョイスした。
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前後ホイールはマグネシウム鍛造のアドバンテージ・EXACT RACING10のガンメタで3.50-17/6.00-17サイズを履く。価格は前後で46万2000円。3.50-17/5.50-17サイズ、シルバーカラーも価格は同じ。アルミ鍛造のEXACTⅡ RACING10もサイズ/カラー設定は同じで価格は35万2000円。ブレーキディスクもアドバンテージ・ダイレクトレーシングドライブディスクを使う。
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リヤブレーキディスクもアドバンテージ・ダイレクトレーシングドライブディスク。初期よりも握った分だけ効力が出せる、鋳鉄ディスクに近い特性で、前後ともアウター/インナー合わせて常時アップデートされているという。
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リヤショックはアドバンテージSHOWA RS-γ。シリンダーボディがアルミ鍛造品で大きな圧力変化にも耐え、スムーズな作動を生み出すことで良好なトラクションと衝撃吸収性を作り出す。初期荷重調整がダイヤルアジャスター式のRS-γは20万6800円、ボディ部にネジ式アジャスターを持つRSは19万5800円。