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ルーツ the CB 〜各クラスのファーストCBたち〜 #CB THE ORIGIN
浅間火山レースを制したベンスパ・キューニー
ホンダのファーストモデルといえば、1947年発売のホンダA型。
もっともこれは自転車に組み付ける小型補助エンジンのことで、車体も含めたホンダの完成車と言えば、50年発売のドリームD型だろう。
鋼板のプレス材で車体を構成したオリジナルフレームを持つドリームD型に対し、53年発売のベンリイJは、鋼管バックボーンフレームを持つ4ストロークモデル。
驚くべきことにホンダは、完成車の第一号からわずか3年で、現在のオートバイデザインに相通ずる車体設計を作り上げたのだ。
その6年後に誕生したのが、ファーストCBこと125㏄のCB92だ。
古いファンが「ベンス...
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空冷を“味わう”2つの上質なCB #CB THE ORIGIN
いつまでも眺めていたい丁寧な仕立ての空冷CB
現代に受け継がれる空冷CBの末裔がCB1100シリーズ。
EXは、オートバイが持つ機能美をとことん磨いて、上質さにこだわった「本物を知る」大人のCBである。
目に入るもの、手に触れるもの、すべてのパーツが丁寧に仕上げられているのがこのEXの魅力。
フランジレスタンクは思わず触れてみたくなる造形とし、シルバーの空冷エンジンやエアクリーナーカバーは、金属の持つ素材感を最大限に引き出した仕上げを誇る。
各所のパーツにも美しいメッキが施され、バイクというより、職人が生み出した工芸品の趣となっている。
「鷹揚」をキーワードとした、ゆとりにあふれた走りと...
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ニッポンが誇る「最高のCB」 PROJECT BIG-1 #CB THE ORIGIN
ビッグバイクの魅力を全身で楽しむ最高級車
現行CBシリーズの頂点に君臨するフラッグシップモデル、それがCB1300スーパーフォアとスーパーボルドール。
全身を、五感を使って「ビッグバイクを意のままに」楽しむことのできる、磨き抜かれた「極上のCB」である。
1992年に衝撃のデビューを果たしたCB1000スーパーフォアから27年。
時代は変わり、熟成と進化を重ねた現行型スーパーフォアのフォルムは当時とは違うものだが「プロジェクトBIGー1」と銘打たれた、ビッグバイクらしさを全面に押し出したコンセプトにブレはなく、威風堂々たる圧巻のスタイリングは健在。
「憧れのビッグバイク」の象徴と呼ぶにふ...
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世界に誇れる“最高のヨンヒャク”『HODNA CB400 SUPER FOUR/SUPER BOL D'OR』#CB THE ORIGIN
いつの時代も愛され続け27年目を迎えた永遠の定番
1992年、CB1000スーパーフォアとともに「プロジェクトBIGー1」コンセプトの下で登場したのがCB400スーパーフォア。
堂々たるスタイリングと高性能と扱いやすさを兼ね備えたパフォーマンスで爆発的なヒットを記録し、瞬く間に400スポーツクラスの頂点に君臨した。
その後もたゆまぬ改良を続け、1999年には革新的なバルブ数切替機構「ハイパーVTEC」を搭載、2007年からはFI化も施され、この年同時にハーフカウル装備のボルドールも登場。
進化と熟成を重ねながら、常に時代の最先端を走り続けてきた。
常にクラスをリードする存在であり続けたと...
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オレたちのCB!〜ミドルクラスの5世代たち〜#CB THE ORIGIN
アニキたちのナナハンオレたちのヨンヒャク
ナナハン、500に続いて72年に発表されたCB350で、ホンダ4気筒ラインアップは完成。
しかし、その末弟である350フォアは、期待したほどの反響を得られずじまい。
サンゴーの地味なスタイリングに対して、新たに誕生した400フォアは、カフェレーサースタイルを採用。
市販車で初めて採用された集合マフラー効果もあって人気モデルとなったが、翌75年10月に免許制度が改正され、408㏄のヨンフォアは大型免許枠となり、急きょ398㏄版を追加発売。
これがコスト上昇へとつながり、生産中止となってしまう。
ホンダはヨンフォアに代わって、ホークシリーズを発売した...
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新世代スポーツCB自慢のミドルロードスター!『HONDA CB650R/CB250R/ABS/CB125R』#CB THE ORIGIN
爽快な走りと美しさを備えた「才色兼備スポーツ」【HONDA CB250R】
「ネオ・スポーツ・カフェ」シリーズの最新作として日本でも発売されるモデルがCB650R。
スポーツCBシリーズのミドルクラスを担う期待のロードスターだ。
「都市のライフスタイルに興奮を」というキーワードのもと、扱いやすいコンパクトなサイズとスポーツ性能を追求。シリーズの流れを汲む、個性的なスタイリングに一新しながら、メカニズム面は先代のCB650Fの各部を大幅に見直したものとしている。
エンジンはピストンを新作、吸排気系を見直してパワーアップとスムーズなパワーフィールを実現。
新たにスリッパークラッチやセレクタブ...
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走りへの情熱をかき立てる 新世代スポーツCB!『HONDA CB1000R』#CB THE ORIGIN
上質で個性あふれるスタイリングにCBR譲りのハイパワーユニットを採用
「ネオ・スポーツ・カフェ」コンセプトを掲げる新世代のスポーツネイキッド、CBーRシリーズのトップモデルがCB1000R。
このカテゴリーではストリートファイターが主流の中、あえて流されず、独自のスタイルを貫くことで、CBの名前にふさわしい、他とは違う個性を主張している。
エクリプスシェイプと呼ばれる丸形のポジションランプを持つユニークなヘッドライトが印象的だが、グラマラスながら抑揚の効いた、独創的なシェイプのタンクに、アルミの上質な素材感を全面に出したシュラウド、大胆に切り詰められたリアセクションなど、全体のフォルムも...
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CBが「X」と「R」へ #CB THE ORIGIN
CBが新たな敵を呼び超える時に生まれる車名
ナナハン発売で世界のトップに立ったホンダだが、それは同時に、新たなライバルを呼び起こすことにもなった。
カワサキZ1の誕生である。
Zは、同じ並列4気筒エンジン車でありながら、CBを超える900㏄という排気量、DOHCというメカニズムでCBを凌駕。
特にアメリカで「Zこそがスーパーバイク」という評価を得るまでになっていた。
今度は、ホンダがZにブツける番。しかし「へそ曲がり」のホンダは、空冷4気筒の排気量アップ版をブツけるのではなく、新しい武器で立ち向かう。
それが水冷水平対向4気筒のGL1000だった。
しかし、GLは、その新規エンジンの完成...
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CBとは何か〜それはバイク乗りが憧れるもの〜#CB THE ORIGIN
「CB」とはいつの時代も人々が憧れるものだ
「ベンスパ(ベンリィスーパースポーツ)」CB92誕生から60年。
結局CBというブランドはどんな意味を持つのだろう。もちろん、きちんと系統立ててCBとネーミングされたモデルばかりではないのは百も承知。
この60年の歴史の中には、これは本来CBの範疇に入るべき、逆にこれはCBにしては異色だ、というモデルもある。
そのヒントはやはりベンスパの後に発売されたCB72に行きつく。
ナナニイは、かの4ストロークエンジンチューニングの神、故・吉村秀雄さんが惚れ込んだことでも有名な250㏄のモデルだ。
9000回転という超高回転で24馬力、つまりリッターあた...
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CBはレーサーレプリカではない〜Rがふたつのスーパースポーツ〜#CB THE ORIGIN
負けず嫌いDNAがCB「R」を生んだ
決して「サーキット走行を前提とした」レーサーレプリカではなかったCBシリーズ。
しかし時代の波には抗えず、ホンダもレーサーレプリカモデルを開発、CBをベースとしたCB「R」が誕生するのである。
初のCB系レーサーレプリカは、87年の400RR。前年モデルの400Rから一転、アルミツインチューブフレーム+水冷4気筒DOHCというフルスペックで登場。
翌88年には250㏄版も登場し、90年頃には幻の750RR開発もスタート。
CBRーRRシリーズが成立したのだ。
その幻の750RR計画は900RRシリーズへ昇華。
これは、人間がいちばんコントロールしやす...
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CB復活は「BIG1」から!〜ホンダマンが欲しかったホンダらしさ〜#CB THE ORIGIN
CB不在の暗黒歴史救ったのはBIG1だ
80年代中盤、大型バイククラスにも巻き起こったレーサーレプリカブーム。
ホンダはRC30を発売し、レースでの成功と同時に、市販車としても大成功、歴史的傑作モデルとなった。
しかし、その時期「非レーサーレプリカ」が手薄となり、CBどころか、750㏄モデル不在、という緊急事態へ。
4気筒スポーツ、ホンダらしいビッグバイクがない__。
そんな声を上げたのはホンダファンだけではなかった。
なんとホンダ内部の技術者たちも同じ思いで、そこで立ち上げたのがプロジェクトBIG1だ。
自分が欲しいホンダ、エンジンも車体も立派でデカく、カッコいいやつ。
市販を想定しな...
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スポーツバイクどどまんなか ニッポンのCB『1969 CB750FOUR〜2019 CB1000R』(2019年)#CB THE ORIGIN
単一ブランドが誕生60年 オートバイが文化になる
世界のオートバイ史に「CB」というオートバイが初めて誕生した1959年は、つまり昭和に直すと昭和34年。
当時といえば、スーパーカブが誕生した翌年で、ホンダがマン島TTレース、今でいうモトGP世界グランプリの一戦に、初めてスポット参戦した年。
なによりホンダ創業から、まだ10年ほどが経過したばかりだ。
ちょうど、映画「3丁目の夕日」の風景、つまり東京タワーが完成したばかりで、東京こそ舗装路が増えてはいたものの、まだまだ未舗装路だらけだったニッポン。
東海道新幹線開通を5年後に、東名高速道路の部分開通を10年後に控えていた、そんな遠い時代の...