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スズキ「ハヤブサ」で市販車最速を記録した話 〜SUZUKI GSX 1300 R HAYABUSA〜(平成11年)
計測ミスがなかったら出ていた「幻の大記録」
今からおよそ30年前の1990年、初めて実測300㎞/hオーバーを体験した。
バイクはZZ−R1100のチューニング車。理由は単純。「誰もやらないならやってやる!」だ。自ら好き好んで挑んだことだが、あの頃、日本で公式にその「大台突破」を証明するのは簡単なことではなかった。
その速度をバイクで出したことを証明するには公式のテストコースが必要。
それがJARI(日本自動車研究所)の高速周回路(通称・谷田部の周回路)だ。そこは190㎞/hで走れるように設計されたバンクふたつを、1㎞強の直線でつないだだけのコース。
ここを設計速度を100㎞/h以上オー...
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買うならいま!? 将来の“名車候補”たち 【平成30年 YAMAHA NIKEN】
昭和vs平成の名車列伝、最後は最新モデルの中から、人気が沸騰しそうな「名車のタマゴ」たちを紹介しよう。いずれのモデルも前評判が高く、将来的には「伝説」を残しそうなバイクばかり。発売前のモデルもあるが、購入しておけば長く楽しめるかも!?
初の大型LMWスポーツの走りに注目!
本格的なロードスポーツモデルとして登場したヤマハのNIKEN。独自の前2輪をリーンさせるLMWテクノロジーによって、コーナーの進入時における安定感や、コーナリング中のフロントブレーキ操作に対する挙動が穏やかになるなど、走行性能におけるポテンシャルの高さが際立っている。また、ツーリング仕様の「NIKEN GT」も登場する...
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“ホンダの誇り”が詰まった威風堂々のキングオブCB【平成4年 HONDA CB1000 SUPER FOUR】
幾多の名車・ヴィンテージが生まれた昭和と
技術革新でオートバイが急速に進化を遂げた平成。
しかし、もうすぐ新元号。新しい時代に突入する前に
歴史に残る名車烈伝をお送りします。
いつまでも忘れない、今でも乗りたい珠玉の名車たち。
直4が、CBが好きだから生まれたBIGー1
CBで育った、ホンダファンのためのフラッグシップモデル。CB1000スーパーフォアのコンセプトはそう謳われていたが、まず何より、このモデルの開発スタッフたち自身が生粋の「ホンダファン」だった。
そのことはこのスーパーフォアの試作車の製作手順に現われている。通常、マーケティングに始まり、コンセプトを決め、ディメンション、レ...
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平成4年 HONDA CB1000 SUPER FOUR【昭和vs平成 名車烈伝】
ホンダ好きの有志でつくった「BIG-1」
CB1000スーパーフォアが初公開された1991年近辺は、オートバイ人気に非常ベルが鳴り響いていた時代だった。
その頃まで市場人気を引っ張っていたレーサーレプリカモデルの勢いに陰りが見え始めていた頃。メーカーもファンも「次の新しいもの」を探していたのだ。
そこでホンダが提案したのが、ホンダらしい並列4気筒エンジンのスポーツバイク。なにしろ当時のホンダは、当時国内最大排気量の750㏄クラスにヒット商品を持たず、90年にはVFR750F、アフリカツイン、PC800しかラインアップがなかった。スティード600とBROS、という時期さえあったほどで、とて...
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「キリン」作者 東本昌平が「GSX1100S KATANA」を語る!
ニンジャに、新しい時代に敗れ去りし者。
キリンがカタナに乗ったのはそんな理由だからだったんです。
カタナが海外のモーターショーで発表された時、正直「なんだこりゃ」って思いました。カッコイイの? あんな月光仮面のムーンライト号みたいにハナが尖ってるの、恥ずかしくて乗れないナ、なんて思ってましたね。
その頃私は、CBナナハンとZ750FXを持っていたんですが、少しずつオーバーナナハンが日本に入ってくるようになって、発表されたてのGSX1100E(大ベコ、って呼んでました)を狙ってたんです。その頃ですね、カタナが発表されたのは。
カタナが日本に入ってくるようになったころ、友人のバイク屋から連絡...
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MotoGPマシンを公道で愉しむ「夢」のスーパーマシン【平成29年 HONDA RC213V-S】
幾多の名車・ヴィンテージが生まれた昭和と
技術革新でオートバイが急速に進化を遂げた平成。
しかし、もうすぐ新元号。新しい時代に突入する前に
歴史に残る名車烈伝をお送りします。
いつまでも忘れない、今でも乗りたい珠玉の名車たち。
※オートバイ2018年8月号より
誰でも購入が可能だったワークスマシンの公道版
「MotoGPマシンで公道を走ってみたいと思いませんか?」
夢のような話を現実にしたモデル、それが2015年に発表されたRC213VーS。その名の通り、MotoGPを闘うワークスマシン・RC213Vをほぼそのまま公道仕様に仕立てたスーパーマシンだ。
ライダーの操作を邪魔しない、スロット...
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平成元年 KAWASKI ZEPHYR【藤木修次氏株式会社 エム・エス・エル代表取締役 【昭和vs平成 名車烈伝】
※オートバイ2018年8月号より
ゼファーが作ったレプリカ後の新時代
等身大の扱いやすさで爆発的な大ヒットに
ゼファーが出るということは発売になる前から知っていました。先行試乗させてもらい、フラットで扱いやすいバイクだなぁ、と思ったのを覚えています。価格も安かったから、ある程度は売れそうな気はしましたが、エンジンはGPZの空冷でしたし、爆発的に売れるとまでは思っていませんでした。
実際、発売から3か月くらいはあまり売れなかったのですが、なぜかそこから火が付いたように売れ始めました。過激なレプリカに飽きたライダーや、そもそもレプリカに興味のない若者や女性ライダーを中心に売れて行き、気が付け...
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【昭和59年 KAWASAKI GPz900R Ninja】新世代最速王は水冷エンジンをつれて――。【昭和vs平成 名車烈伝】
幾多の名車・ヴィンテージが生まれた昭和と
技術革新でオートバイが急速に進化を遂げた平成。
しかし、もうすぐ新元号。新しい時代に突入する前に
歴史に残る名車烈伝をお送りします。
いつまでも忘れない、今でも乗りたい珠玉の名車たち。
いつまでも色あせない永遠の名車の条件
昭和44年にホンダ・ナナハンが登場して以来、日本にも出来上がったビッグバイクマーケット。打倒ナナハンを狙ったZ1に続き、スズキはGSを、ヤマハはXSを発表し、これで国産4メーカーの4気筒ビッグバイクが出揃うことになる。いわば、これが1巡目。
2巡目のトップバッターはカワサキだった。GPZ1100で一巡目を終えた時、Z1の903...
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【昭和63年 HONDA STEED 400 VLX】日本のアメリカンブームの立役者!【昭和vs平成 名車烈伝】
幾多の名車・ヴィンテージが生まれた昭和と
技術革新でオートバイが急速に進化を遂げた平成。
しかし、もうすぐ新元号。新しい時代に突入する前に
歴史に残る名車烈伝をお送りします。
いつまでも忘れない、今でも乗りたい珠玉の名車たち。
(※オートバイ2018年8月号より)
90年代初頭のアメリカンブームを牽引したモデル。
デビューは昭和63年なので、厳密には昭和生まれのバイクということになる。デビュー当初は不人気で、その結果中古価格が安かったこともあってカスタムベースとしての人気が高まり、レプリカ人気終焉後のアメリカンブームの火付け役となった。
途中バリエーションモデルも追加され、ディッシュホイ...
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【昭和62年 HONDA VFR750R】市販車とレースがつながったナナハン限定車バトル【昭和vs平成 名車烈伝】
幾多の名車・ヴィンテージが生まれた昭和と
技術革新でオートバイが急速に進化を遂げた平成。
しかし、もうすぐ新元号。新しい時代に突入する前に
歴史に残る名車烈伝をお送りします。
いつまでも忘れない、今でも乗りたい珠玉の名車たち。
RC30の方法論が新たな敵を呼び寄せる
GSXーRが掘り起こした4ストレースべースマシンとしてのビッグバイク。ちょうどレースの世界が、より改造範囲を狭く、つまりベースモデルのもつポテンシャルが成績を左右する方向へシフトしていくとき、ホンダは新しい750㏄レーサーレプリカよりも、最小限のモディファイですぐにレースに出場できるモデルの開発をスタートさせる。
だからひと...
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【昭和61年 HONDA NSR250R/昭和60年 YAMAHA TZR250/昭和58年 SUZUKI RG250Γ】2ストレーサーレプリカブーム発火【昭和vs平成 名車烈伝】
幾多の名車・ヴィンテージが生まれた昭和と
技術革新でオートバイが急速に進化を遂げた平成。
しかし、もうすぐ新元号。新しい時代に突入する前に
歴史に残る名車烈伝をお送りします。
いつまでも忘れない、今でも乗りたい珠玉の名車たち。
※オートバイ2018年8月号より
スズキの突破力をヤマハとホンダが迎撃した
RZの登場で新しい局面を迎えた250㏄スポーツ。それは、それまでの「車検もなく維持費が安い」手ごろなアシ替わりから、250㏄ならではの小型軽量の車体にハイパワーエンジンを積む、扱いやすいコンパクトスポーツという新しい価値観だ。
RG250やZ250FTが「250㏄専用設計」とアピールしてか...
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平成5年 HONDA CBR900RR【山本泰二氏パッセージ株式会社代表取締役 昭和vs平成 名車烈伝】
※月刊オートバイ2018年8月号より
なにより自分が乗りたくて北米仕様を輸入しました
CBR900RRを初めて見たのはアメリカの雑誌でした。今でもあの時の興奮を覚えていますが「ついに出たか!」というのが第一印象でした。
当時は750㏄以上のモデルが大型ツアラーばかりの中、コンパクトな車体にわずか185㎏の車重で、エンジンもパワフルな122PS。その頃人気だったCBR400RRの兄貴分というべきレーシーなルックス。もう、大ヒットの予感しかしませんでしたし、まず誰よりも早く手に入れて自分で乗ってみたかった。だから、欧州仕様よりひと足先に発売になる北米仕様に目をつけて輸入したのです。
当時は逆...